競合商品を一方的排除、アマゾンにない商品は「存在しない」のと同じ

「使わないから関係ない」では済まない
週刊現代 プロフィール

言いなりになるしかない

アマゾンが作った商品とバッティングする商品があれば、それらはアマゾンのサイトから削除される。必然的にその商品は、購入機会が減り売り上げは落ちていく。

アマゾン依存が強まるなか、アマゾンで売っていない商品は「存在しないのと同じ」と言わんばかりの状態になってしまうのだ。多くの顧客を抱え、物流を牛耳るアマゾンだからこそできる「力業」である。

アマゾンに同じ商品を作られた途端、そのメーカーは窮地に陥る危険性をはらんでいる。すでに米国では「to be amazoned(アマゾンされる)」という隠語が生まれるほど、既存企業がアマゾンに顧客と利益を奪われる恐怖が広がっている。

問題は既存のメーカー以上の商品をアマゾンが作り出せるかだが、その可能性は十分あるという。

「アマゾンの強みはマーケティングにあります。どんな人がその商品を買っているのか、お客さんが何を求め、どんな不満を持っているか、などあらゆる商品や顧客の膨大な情報を高精度で分析している。それを元に自社で優れた商品を作ることは十分可能です」(物流コンサルタントの千本隆司氏)

 

メーカーに対するアマゾンの要求は年々厳しくなっている。顧客からクレームが入った場合、その企業は72時間以内に対応しなければならず、それを怠ると、アマゾンが独断で一定期間の販売禁止を行うなど、アマゾン側からペナルティーが科せられる。

そのためアマゾンの基準に合わせるために、深夜まで仕事に追われる企業も少なくない。

あるメーカーの社員は「アマゾンのために働いているようなもの。一回入ったら抜けられない」と愚痴をこぼす。だが、アマゾンで売ってもらうためには彼らに従うしかない。

「以前なら百貨店やリアル店舗に広告費を投入していましたが、これからはアマゾンにリベートを払う時代になっていくと思います。

アマゾンのサイト上でいかに宣伝してもらえるかが、メーカーにとって最重要になってくる」(フロンティア・マネジメント株式会社代表取締役の松岡真宏氏)

生き残るためにアマゾンの傘下に入るメーカーも今後は増えるだろう。もはやアマゾンは、ビジネス市場そのものの生殺与奪の権を握るほどの力を持っている。

「週刊現代」2018年1月27日号より