「憧れの世田谷」に取り残された、高齢者たちの残酷な現実

実は、日本の未来の姿がここにある
池田 利道 プロフィール

世田谷病はやがて東京病、日本病となる

世田谷区の商店街世田谷区の商店街にて photo by gettyimages

遅すぎる引っ越しが、老いに最後のダメージをもたらすことについて、前々回の記事にこう書いた。

「ようやく動き出すのは、配偶者が亡くなったときだ。しかし、一人になった親を近くに呼び寄せた途端に身も心も一気に弱ってしまったという話は、枚挙にいとまがない。見知らぬ土地に引っ越せば、子どもや孫が近くに住んでいるという安心感は得られても、それまで営々と築いてきた人間関係は断ち切られてしまう。そんな劇的な環境変化に対応するには、歳を取りすぎなのだ」

世田谷ライフを謳歌した果てに訪れるのは、そんな悲しい末路である。

 

東京は、地方に比べると平均所得も学歴も高い。さらに言えば、日本全体がずっと豊かになり、高学歴になった。かつて日本のなかで世田谷区が占めていた地位は、いま世界のなかで日本が占める地位と見ることもできるだろう。そう考えると、世田谷病はやがて「東京病」へと拡散していき、さらに「日本病」となって蔓延していくのかもしれない。

くり返すが、世田谷病は風土病ではなく「生活習慣病」なのだ。だから行政には解決できない。負の連鎖を断ち切ることができるのは、そう、あなた自身しかいないのである。

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