オランダ政府の統計によると、飛び級する児童は男子よりも女子のほうが多い。2013年-2014年のデータでは、女子は初等教育全体の11%に対し、男子9%。この傾向は過去4年間さかのぼっても変わらない。

更に飛び級する児童は、男女ともに秋生まれの子供が多い。2010年から2014年の飛び級児童のうち85%以上が秋生まれの子供なのだ。

オランダは8月末から9月上旬が新学年の始まり(年度および地域によって変化がある)。その区切りに合わせて入学する子供も多いので、オランダの秋生まれの子供は日本でいう春から夏生まれのように、発達面で優位なことが多い。

小学校で飛び級を経験した生徒は、大学進学を前提とした高い学力を求められる中等教育で大学準備中等教育(VWO)に入学する可能性が高いという。2014年に実施された「初等教育卒業から3年目」の追跡調査では、飛び級経験した秋生まれの子供のほぼ60%がVWOの3年目にいた。秋生まれ以外の飛び級児童たちに関してもVWO(41%)や高等一般教育のHAVO(28%)など一般の生徒より高い学力があると示された。

これは、優秀な生徒を適切な学年に導いたために正しい成熟をサポートできたからではないだろうか。

オランダ人の半数が留年経験者

そして、飛び級を認める柔軟な教育システムの中では、反対に「留年」も存在する。オランダは義務教育法で、14歳まで小学校に在籍できるのだ。

なんとオランダで教育を受けた人の半数が、初等または中等教育で留年を経験していると言われている。ただし、先ほどの飛び級とは逆で、留年の約3分の2は中等教育で起こっているという。

つまり初等教育で起こるのは、留年の約3分の1ということ。前述のように留年を経験するのが全体の2分の1ならば、小学校で留年するのは全生徒の6分の1、約16.6%という理屈になる。

留年が起こりやすいのは、幼稚園的な1年生(Groep1)と2年生(Groep2)から、3年生(Groep3)に上がるころ。多くの小学校は、保護者との対話を重ね、子どもの発達が3年生に進むのに十分かどうかを調べるのだという。

展覧会イベントでの保護者参加のクイズ大会。普段は、このクイズアプリを授業にも使う。写真/倉田直子

実際に「初等教育の何年生で留年が起こるか」というオランダ政府のまとめ(2012-2013年度)によると、各学年における留年発生率は以下のようになる。

1年生4%、2年生8%、3年生5%、4年生4%、5年生2%、6年生2%、7年生1%、8年生1%。

発生率が一番高いのが、2年生の8%。100人中8人が、2年生(まだ幼稚園的な学年)をやり直している。つまり勉強の始まる3年生に進級する前に、子どもの成熟度を慎重にみていることが読み取れる。学年が上がるにつれ留年は起こりにくくなっていることから、学力や成熟の差異は早めに見つけられ、適した学年に送られていることが分かる。

ちなみに、一度飛び級した生徒が留年して元いた学年に戻ることも可能だ。オランダの教育文化科学省によると、飛び級した子が留年するのも珍しいことではないという。これもある意味、「適した学年に(再度)送られている」と言えるだろう。