消費税アップを前に、今年マンション市場に起きる「決定的な変化」

「駆け込み需要」の夢やいかに…
牧野 知弘 プロフィール

消費増税を機に広がる「しなやかな住まい方」

日本人はこれまで、自分が留守のあいだ、他人に自宅を使わせることに抵抗を覚える人がほとんどだった。しかし、シェアハウスなどを使いこなす「これから世代」の人たちは、こうしたことにあまり抵抗を感じなくなってきていると言われている。

 

すでに、一台の車を近隣住民がシェアして利用する仕組み(カーシェア)も世の中ではどんどん普及してきている。はじめのうちは「他人と車を共有するなんて、レンタカーじゃないのだから」といった批判的な意見が多くあったが、いまではすっかり定着している。

カーシェアのイメージphoto by iStock

「これから世代」は、自家用車を所有してメンテナンスすることの無駄をしなやかに理解し、カーシェアを「別にいいじゃない」「合理的」と考えるのだ。

こうした考え方にのっとれば、今後「夫婦共働きだから、自分たちが使わない昼間は近所の皆さんでお稽古ごとに使ってください」「キッチンを充実させて、近隣の奥様がたの料理教室にお使いください」といったシェアリング・エコノミーの考え方が広がってくる可能性が高い。

オフィスと住宅などが混在するエリアなら、近隣オフィスのための「貸会議室」に開放してもいいかもしれない。余った部屋を近隣のお店の倉庫として活用してもらうことも考えられるだろう。

これらに共通するのは、住宅を自分だけの財産として、何の収益も生み出さずにただ囲い込むのではなく、自分たちの生活をさらに豊かにするための道具として活用するという発想だ。

「資産性の高さ」という曖昧なセールストークに流されて新築マンションを買ったら、管理規約でガチガチに利用を制限された、というのはこれまでもよくある話だった。しかしこれからは、中古住宅を買って自分たちの稼ぎの足しにもなるように自由に活用するなど、「しなやかな」住まい方が求められるようになるだろう。

皮肉なことに、今年起こるであろう「消費税率アップ」の狂騒曲が、多くの人々の住宅に対する見方、住まい方を変えるきっかけとなる――そんな2018年を筆者は予測している。

人口減少と高齢化を背景に、国のあり方が大きく変わろうとしています。定年までの安定雇用で住宅ローンを返済し、静かな老後生活へ、という人生は、とっくに過去のものとなりました。家を買うのか借りるのか、どこで、どんなふうに暮らすのが幸せなのか。

これからは一人ひとりが新しい時代の「住まい方」を考える時代。現代ビジネス編集部は、特設サイト『住まい方研究所』を開設しました。皆さんが住まい方を考え、選ぶための役に立つ情報を、さまざまな視点からお届けして参ります。