中国商用飛機有限責任公司(COMAC)が開発を進めているC919 Photo by GettyImages

中国航空機メーカーがボーイングとエアバスを駆逐する日

驚異的な成長を遂げている…

米ボーイングと欧州エアバスによる寡占が続いてきた航空機市場を中国企業が虎視眈々と狙っている。中国製のジェット旅客機が世界の空を飛ぶという話が現実になる日も近い。

アメリカの世界基準をクリアできるか

日本ではあまり報道されていないが、昨年11月に行われた米中首脳会談と前後して、航空機の製造に関する重要な協定が米中間で締結された。

米連邦航空局(FAA)と中国民用航空局(CAAC)が締結したのは、「航空機や航空機関連部品の耐空性に関する相互協定」である。内容の詳細は不明だが、中国製航空機や航空機部品の米国市場での販売に道をひらくことになると考えられている。

各国政府は航空機の運行に関して厳格な基準を定めており、当局の認可がなければ飛ばすことはできない。

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航空機メーカーは製品を売りたい国の航空当局から、構造や強度が基準に合致しているのかという型式証明(開発時)や、騒音や排気などが各種の環境基準に合致しているのかという耐空証明を取得する必要がある(型式証明は耐空証明の一部になっている)。

しかしながら、航空機産業は米国を中心に発展してきたという経緯があり、この世界における米国の地位は圧倒的である。航空機の安全性についても、米国基準が事実上の世界基準となっており、各国政府が定める耐空証明の多くは米国の制度に準拠している。

 

つまり、米国で型式証明を取得することができれば、事実上、どの国にも航空機を輸出することが可能であり、逆にいえば、米国の型式証明を取得できない場合、その航空機の価値はゼロとなってしまう。このため航空機メーカー各社は米国の型式証明の取得に全力をあげることになる。

国産初のジェット旅客機である三菱重工のMRJは、開発が大幅に遅れており、すでに納入を5回も延期している。開発が遅れているのは技術的な問題というよりも、米国の型式証明の取得に手間取っているからである。