中国政府が「ビットコイン撤退」を決めた深い理由

習近平はこれを怖れていた
宿輪 純一 プロフィール

中国の通貨危機リスク対応

中国の国際金融政策は歴史を良く分析している。人民元の通貨制度や資本の規制も状況を見ながら変えてきた。一般的には、平時で中国経済が好調の時には、自由化し、10年に1回程度の周期で起こる国際金融危機になると固定化を堅固なものにした。

今年はリーマンショックから10年、アジア通貨危機から約20年である。アジア通貨危機の時も、人民元は固定相場制であったために大きな悪影響がなかったのである。

そのアジア通貨危機の主因の1つは、米国の利上げであった。米国の中央銀行(FRB)はその時の反省もあり、海外の経済状況にも目を配るようになってきた。

しかし、中央銀行という存在は、平時に金利をある程度の水準に上げることが仕事といっても過言ではない。景気は波であり、良いときもあれば悪いときもある。次に景気が悪化したときに、金利を下げられるように、ある程度の水準まで上げなければならないのである。

 

ビットコイン規制強化が世界の流れ

中国は、以上のように、通貨危機の防止、資本の規制、そして為替レートのコントロールの為にも、ビットコイン(仮想通貨)というルートも遮断したいということであろう。

実際、中国ではビットコインの規制が昨年末から強化されてきているが、時期を同じくして上海証券取引所の上海総合指数は上昇基調に転じている。

国際的に見まわすと、北朝鮮が韓国の仮想通貨取引所をハッキングし、韓国は昨年来、規制を強化し、仮想通貨取引所の閉鎖方針を示している。

昨年末に筆者が当ウエッブで公開した「ビットコインの『バブル体質』はどうやったって解消できない」(12月26日)にビットコインの米国先物取引所上場について書いたが、最近では米証券取引委員会(SEC)がビットコインのETF上場に否定的な反応をしている。

日本は、昨年4月に改正資金決済法が施行され、仮想通貨取引所に登録制を導入し、顧客の資産管理を厳重にさせ、金融商品取引とは違う厳格な税金対策も確認された。現在は利用者保護とイノベーションのバランスに注意しながら、状況の見極めをしている。

いまだに仮想通貨などへの誤解も多い。少なくとも、電気代の高い日本ではマイニングは困難ということはいえるのではないか。

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