発音やアクセント習得は早期教育が効果的だが

ただし、「早期教育は効果がないのか」というと、そういうことではありません。

「英語セッティングの環境に入る年齢が早ければ早いほど、英語習得力は高まる」というのは「発音、アクセントにおいてはその通り」です。

これは脳の発達との関係も大いにあると主張する研究もあります。生理学でいう「側性」、つまり大脳の各種機能が左右両半球に分化する状態は、生まれてから思春期にかけて発達し、それがどちら寄りになるのかが決まるタイミングと、英語習得における臨界期に大いに関係があると、スコヴィルをはじめ心理言語学者が発表しています。

思春期の具体的な時期は、人によって違いがあることを前提に、大脳の各種機能の発達が大体落ち着く頃には、新しい言語の発音、アクセントを忠実に再現できる「柔軟性」が少しずつ失われることを主張したのです。脳神経の発達と発音は非常に密接に関わっています。発音、アクセントは口の筋肉の動きがあってこそうまくできるわけで、神経と筋肉の動きと発達が、発音とアクセントの良し悪しを左右することは間違いありません。

自分の目の前にいる第三者が話す英語の発音がきれいだったり、ネイティブの話す英語を聞き取れたりしている、という場面を見ると、「第二ヵ国語である英語習得に成功しているんだ」、と感じることでしょう。実際、大人になって英語を学ぶ日本人の多くは、読むことはできても、聞いたり話したりすることができないという直面に多く立たされ、「小さい時にやっておけば良かった」という声をよく聞きます。

「RとLの発音がきちんとできる!」「アクセントがネイティブ並み!」であると、それだけで「素人目にもわかりやすい」から、その点で「じゃあ早く子どもに英語の学習をスタートさせたほうがいい」という説が出やすいのではないでしょうか。

また、言語学習開始年齢が早ければ早いほど良い、とされる仮説に対し、ただ耳から、口から、の発音、アクセントの習得度合いをもって最終的な言語習熟レベルを図るのは適切ではないとする説もあります。

1995年にスラヴォフとジョンソンという研究者が、7歳から12歳の間に渡米し英語を第二ヵ国語とする中国人、日本人、韓国人、ヴェトナム人の107人の子供達を、7~9歳の間に英語学習を始めたグループと、10~12歳に英語学習を始めたグループに分けて実験を行いました。

英語学習の開始時期は早いほど良い、と言語獲得の臨界期仮説を謳う研究者にとっては驚きの結果が出ました。

構文の理解、文章の構造や比較的難しいとされる文法の理解においては、英語学習の開始時期が遅いグループが秀でていたのです。