①    「失敗」は誰のせいにもしない

失敗したとき、それを、決して他人のせいにはしないことだ。それが100%他人のせいだとしても、その失敗を防げなかった自分を反省し、相手への憤りを自分の心の痛みに変えよう。

これはね、理想論や精神論で言っているんじゃない。自らの脳に、失敗であることを知らせるためだ。

他人のせいにしてしまうと、脳は失敗だとわからないから、回路を更新してくれない。せっかく痛い思いをしても脳が進化しないなんて、もったいないでしょ。

②    過去の「失敗」にくよくよしない

過去の失敗をくよくよ思い返してはいけない。これも、精神論じゃない。

この行為は、せっかく切り離そうとした失敗回路を、もう一度つないでしまうからだ。
失敗を恐れることはないが、何度もくよくよ思い返していると失敗回路がかえって活性化してしまう。結局、ジリ貧の道のりを行く。

③    未来の「失敗」におどおどしない

未来の失敗に、怯えてはいけない。

この行為は、ありもしない失敗回路を作ってしまう。

失敗を想定しすぎると、必ず失敗する。

何かに挑戦する前に、「○○になったら、ダメになる」「きっと、上司に反対される」「周りに何を言われるかわからない」なんて、ネガティブ思考を口にしている人は、即刻やめよう。

「反対される」回路に信号を流しているから、反対されるのだ。

2 数学の成績が落ちてきたら、新聞かファンタジーを読め

中学2年の夏休み前ごろから、理系の科目は一段と難しくなる。

実は、ここからの数学や理科では、文脈理解力が重要になってくる。数学や物理学の世界観を理解し、文章題を読み解き、適正な方程式を引き出してくるためには、脳はことばを制御する領域を使うからだ。つまり、母語力こそが、高等理系力のベースなのである。

中学生の数学や理科の成績が下がってきたら、勉強時間を増やしたり、塾にやる前にすべきことがある。親子で新聞を読み。世の中の現象について話し合うことだ。

ここにおいて、重要なのは、しっかりした記者が書いた文章を読むこと。そして、この時期お薦めするのは、電子媒体よりも、やはり紙媒体。紙面全体を俯瞰して直感で把握し、そこから情報の“構造”を切り出すセンスを養いたい。これは、状況把握力の基礎になる。脳の発達期にしか手に入れられないアナログな能力で、小さな電子画面でのスクロールでは養えないセンスだ。

ものがたり本でも、その能力は養える。この世のものでない世界を創りあげ、主人公が悪に果敢に立ち向かうファンタジーシリーズは、状況把握力と社会性を子どもたちに与えてくれる。親子で読み合って、読後感を語り合えれば最高だ。

黒川さんのお子さんが一番はまった「バーティミアス」シリーズ。大人も夢中になるファンタジーだ

3 読書好きは、戦略家の必須条件

ものがたり本との出会いは、中学生になるのを待たず、8歳くらいにはしてほしい。
脳は、起きている間の体験を、眠っている間に何度も再生して確かめ、知恵やセンスを創生し、記憶と共に脳神経回路に書き込んで定着させている。頭がよくなるのは、眠っている間なのである。

しかし、ごく普通の人類の小学生では、体験は限られている。龍の背中に乗って空を飛んだり、魔剣をあやつって悪の魔王と対決したり、秘密のパスワードをみつけて妖精の女王と話をしたりはしない(と思う)。しかし、ファンタジーを読んで眠ったその夜は、世界の果てまで冒険してきたその疑似体験を、脳がセンスに変えられるのである。

つまり、読書は、脳に、現実の人生を遥かに凌駕する豊かな経験を与えてくれる至高のアイテムなのだ。もちろん、漫画やアニメ、映画にもその効果はあるが、文字を五感に射影していく読書のそれは絶大。読書好きは、戦略家の必須条件である。