# 漫画

少年ジャンプを毎週端から端まで読み続けるとドキドキしてくる理由

まるで人生を眺めているよう
堀井 憲一郎 プロフィール

ジャンプの活気を支える連載打ち切り

ジャンプでは作品の入れ替わりが激しい。

全作品を読み始めてまだ半年ちょっとだが、すでにたくさんの最終回を見ている。

『左門くんはサモナー』『U19』『ポロの留学記』は、ほぼ一斉に最終回を迎えたし、そのあとも『磯部磯兵衛物語』と『腹ペコのマリー』が終わり、年を越えて『シューダン』も終わった。『クロス・アカウント』もそろそろ終わりそうだ(『シューダン』は第1話から最終話まで読んだことになる)。

短いのは4ヵ月ほどの連載になる。

だいたい17話くらい。単行本にして2巻。

ただ、人気が出たら何年も連載して20巻30巻も続けるつもりの物語が、ぎゅっと2巻に縮められると、すごく急いだ終わり方になるか、ないしは投げっぱなしになる(つまり終わっていない)。そういう物語はやはり売れないだろう。なかなか厳しい世界である。

いまジャンプで連載している漫画で長いのは『ワンピース』(1997年開始)と『銀魂』(2004年開始)で、10年越えての連載はこの2作品だけである(『ハンターハンター』も1998年開始だが、きわめて不安定連載、ときどき載って長く休むということを繰り返している)。

あとは『ハイキュー!』『斉木楠雄の屮難』『食戟のソーマ』が6年目、『火ノ丸相撲』『僕のヒーローアカデミア』4年目、『ブラッククローバー』が3年目である。残りは2016年以降開始のかなり新しい作品。

長期連載老舗作品ばかりという時代は終わって、いままた新しい漫画をどんどん出そうとしているのだろう。活気ある雑誌だ。

『Dr.STONE』『約束のネバーランド』のほかに私が面白いとおもっているのは『鬼滅の刃』『ブラッククローバー』『ロボ・レーザービーム』である。

ロボ・レーザービーム融通がきかず無表情、ロボこと高校生・鳩原呂羽人。彼をゴルフ部に誘うトモヤは新しいクラブを試すため、ロボを練習場へ連れだす。だが他校のゴルフ部に絡まれ、なんとロボが勝負することになり!?

とくにゴルフ漫画の『ロボ・レーザービーム』はとても面白いとおもうんだけど、掲載されている位置がかなり後ろのほうだし(後ろにいくほど人気がないと言われている)、高校生1年の途中からいきなり3年後のプロ編になり(いくら何でも飛びすぎである)、ひょっとして近いうちに終わるんではないかととてもどきどきしている。がんばって長く続けて欲しい。

ギャグマンガ『トマトイプーのリコピン』は始まった当初はまったく面白いとおもえなかったのだが、途中からすごく面白くなって(漫画が変わったのではなく、こっちが慣れただけだとおもう)、いまはとても楽しみにしている。でも、これもあっさり打ち切られそうな気配もあって、ちょっとどきどきする。

ジャンプはだいたい年に7、8作の連載が終了し、また同じくらいの連載が始まる(掲載漫画はだいたい1号20作品ほど)。

ジャンプを全作品読んでいると、これ、いつ打ち切られるんだろうと、作者寄りの立場でどきどきしながら読むことになって、これはこれでスリリングで楽しい。

好きなマンガがどんどん後ろのほうに掲載されるようになり、ついに終わったりすると、そしてそれを初回から最終回まできちんと読んでいたりするなら、何とも言えない悲哀と咸興を抱く。人生を眺めているようである。

そこもジャンプの面白さである。

堀井憲一郎、かつて誰も調べなかった100の謎なんでも調べる。全部調べる。コラムニスト堀井憲一郎の「ずんずん調査」集大成!