日本人の底力は、人口爆発大陸アフリカでこそ問われる

中国・インドに大きく遅れをとる現実
白戸 圭一 プロフィール

アフリカ経済が抱える最大の問題

アフリカ経済が成長を持続させていくためには、克服しなければならない脆弱な経済構造の問題がある。

2003年からの10年間、サブサハラ・アフリカは年平均6%近いGDP成長率を記録したが、その主たる要因は、原油をはじめとする資源価格の高騰によって、短期間にアフリカに多額の資金が流れ込んだことであった。

このため2014年を境に資源価格が下落すると、サブサハラ・アフリカのGDP成長率は劇的に低下し、2016年は1.4%にまで落ち込んでしまった。

先述したとおり、この地域の人口増加率は2.7%という高率であるから、GDP成長率1.4%では人口増加に経済成長が追い付かず、アフリカ人1人当たりは貧しくなってしまうのである。

国際通貨基金(IMF)の2017年10月時点の見通しによると、サブサハラ・アフリカの2017年のGDP成長率は2.6%に終わると予想されている。

サブサハラ・アフリカには49の国があり、このうちおよそ3分の1の国は5%以上のGDP成長率を維持できる見通しだが、その一方で、少なくとも12の国ではGDP成長率が人口増加率を下回り、1人当たりGDPが低下すると予想されている。

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サブサハラ・アフリカの経済が抱える最大の問題は、2016年時点で地域の労働人口の51%が農業に従事しているにもかかわらず、地域全体のGDP総額に農業が貢献している割合が16%に過ぎないことである。

例えば中国と比較した場合、その問題が明らかになる。中国の労働人口に占める農民の割合は3%程度に過ぎないが、中国のGDP総額における農業の貢献率は8%を超えている。つまり、サブサハラ・アフリカの農業生産性は著しく低く、中国のそれは高いのである。

サブサハラ・アフリカの村々で行われている農業は、灌漑もなく雨水に依存し、化学肥料や農薬もほとんど投入されていない。

農業生産性の低さゆえに、サブサハラ・アフリカは増え続ける人間の胃袋を満たすだけの主食食糧(メイズ、コメなど)を自給できず、膨大な量の穀物をアフリカの外から輸入している。

 

農村で人口が増大していけば、若者を中心に都市への人口流出が加速する。サブサハラ・アフリカでは都市化が進展しており、これまで圧倒的に都市よりも農村に多かった人口は、2020年代に比率が逆転することが確実である。

都市化が進めば、都市住民の雇用機会が重要課題として浮上する。

だが残念なことに、サブサハラ・アフリカの国々では、雇用吸収力の高い製造業はほとんど発展して来なかった。

サブサハラ・アフリカのGDP全体に製造業が占める割合は、1975年当時は15%近くあったものの、現在は10%に低下している有様である。