南アフリカ・ヨハネスブルク〔PHOTO〕gettyimages

日本人の底力は、人口爆発大陸アフリカでこそ問われる

中国・インドに大きく遅れをとる現実
2065年、日本の人口は約8800万人にまで減少する。この国の将来を中長期的に見ると、日本企業は海外で稼がねばならず、「最後のフロンティア」アフリカの重要性が高まるだろう。三井物産戦略研究所 欧露・中東・アフリカ室長の白戸圭一氏は、アフリカ経済の可能性と日本企業の出遅れをこう見る。

何をしても人口が減る日本

ロサンゼルス都市圏には約6万7000人、ニューヨーク都市圏には約4万7000人の日本人が暮らしている。一方、日本の80倍もの広さのアフリカ54ヵ国に住む日本人は7931人(2016年10月1日現在)に過ぎない。

ヒト、モノ、カネ、情報が短時間で国境を超える現代においても、多くの日本人にとってアフリカが遠い存在であることに変わりはないだろう。 

しかし、日本の将来を考えた場合、日本にとってのアフリカの重要性は、高まりこそすれ、低下することはないと、筆者は考える。

厚生労働省が2017年12月22日に発表した人口動態統計年間推計によると、日本で2017年に生まれた子供の数(出生数)は94万1000人で、1899年に統計を取り始めて以降、最も少なくなる見通しとなった。

2017年の死亡者数は前年比約3万6000人増の134万4000人の見込みなので、出生数から死亡者数を引いた人口の自然減は40万3000人になる。

日本の人口の自然減は2007年から始まっており、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、現在約1億2670万人の日本の人口は2053年に1億人を割り込み、2065年には約8800万人にまで減る見通しだ。日本の人口は、もはやどのような対策を講じても反転回復できない状態に陥っている。

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人口が減っても、現時点では先進国で最低水準に甘んじている労働生産性を向上させることができれば、1人当たり国内総生産(GDP)の水準を、ある程度維持することは可能かもしれない。

だが、人口が減り、高齢者が圧倒的多数を占める国になれば、カネを使う人は減り、国内市場は縮小していくだろう。老人ホームや介護事業者は増えるが、学校が消え、街が消え、企業が消え、税収は先細る。それが何十年も続く。

これからの日本は海外への投資で利益を捻出し、海外でモノやサービスを売って稼がなければ、国中に溢れる高齢者に給付する年金の原資も確保できないだろう。

このように日本の将来を中長期的に見据えると、日本企業にとっての海外における大切な「稼ぎ先」の一つとして、アフリカが見えてくるのである。

 

大爆発しているアフリカ人口

アフリカの潜在的可能性として、何をおいても着目すべきことは、人類史上空前の速度と規模の人口爆発だ。

国連が2015年に公表した世界人口予測(中位推計)によると、2015年7月1日現在、世界人口は推定約73億4947万人。このうちサハラ砂漠以南のアフリカ(サブサハラ・アフリカ)は9億6229万人で、世界人口の13.1%を占める。つまり、人類のおよそ7.7人に一人がサブサハラ・アフリカの住人だ。

注目すべきは人口増加の速度である。2010~15年の世界の人口増加率が年平均1.18%だったのに対し、サブサハラ・アフリカは2.71%という高率を記録した。他の地域の増加率は、アジア1.04%、欧州0.08%、ラテンアメリカ1.12%、北米0.78%だった。

この結果、国連は2050年の世界人口を97億2515万人、このうちサブサハラ・アフリカを21億2323万人と予測する。つまり、32年後には、人類のおよそ4.6人に1人がサハラ砂漠より南側に住むアフリカの人々になるのである。

ただし、人口が増えたからといって、その地域が自動的に企業にとっての巨大な市場になるわけではない。経済が低迷し、人々の購買力が低いまま単に人口が増えても、それは単なる「貧困の巣窟」の巨大化に過ぎない。

人々の所得が増加し、購買力が高まって、初めて巨大市場と呼べるようになる。したがって、企業のアフリカでのビジネスは、アフリカ経済の持続的成長に貢献しつつ、将来の自社の収益を見据えたものにならざるを得ない。