平成を揺るがした30人の「現在」を追う【社会・事件編】

本人・関係者が驚きの告白
週刊現代 プロフィール

元「極妻」弁護士は開店休業

不名誉な案件が続いたが、平成のベストセラーで話題を呼んだ、あの人たちはどうしているか?

元暴力団組長の妻として壮絶な人生を送り、29歳にして一念発起して司法試験に合格、弁護士となった大平光代氏(52歳)の手記『だから、あなたも生きぬいて』は、平成12(2000)年に刊行され、累計260万部のベストセラーとなった。

その後、'03年には女性初の大阪市助役に就任し、話題を呼ぶ。'06年には勤務先の法律事務所の先輩弁護士と再婚し、女児を出産したが、最近はメディア露出も減った。大平氏に代わって、知人の弁護士が近況を語る。

「大平さんは、'08年に大阪市内から兵庫県丹波地方に転居し、田舎暮らしをしています。今はほとんど弁護士活動をしていないんですよ。

転居の理由は、お嬢さんの養育のためです。子育てに忙しく、見かけも『弁護士』というより、『お母さん』という容姿に変わり、すっかり落ち着いた印象。当面は弁護士活動する予定もなく、古くからの知人からの法律相談にのる程度です」

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大平氏の著作から5年後の平成17(2005)年、93万部のベストセラーになったのが『生協の白石さん』だ。

著者の白石昌則氏(48歳)は、当時、東京農工大学生協に勤務、学生が生協へ投書した「ひとことカード」に、ウィットとユーモアに富んだ回答を書き、注目を集めた。その回答をまとめたのが同書だった。

現在は東洋大学生協白山キャンパス店の「店長」に出世した「白石さん」が言う。

「大半の学生は、当時の私を知りませんよ。ごくわずかの学生さんたちが『読みました』『頑張ってください』って声をかけてくれますけど……。印税は少々いただきましたが、生活そのものはほとんど変わりがないですね。

勤務店舗はいくつかかわり、一時は営業も担当していましたが、取引先の中には、私の存在を知っている方もいて、本が名刺代わりになったのには助かりました」

 

今でも、あの「ひとことカード」は読めるのだろうか?

「いまは店長ですので、私以外の職員やパートさんが担当しています。ただ、たまに答えに窮するような質問に対しては私が記入することにしています。入荷できない商品の問い合わせなどです」

そこから、新しい試みも生まれた。

「毎年、1月上旬から期間限定で販売される『単位パン』は、私も開発に携わった経緯があり思い入れの深いパンです。

ひとことカードに『単位を売ってください』と質問されることが何度もあり、そのたびに『単位は売ってませんよ』と回答していたのですが、生協として商品という形で『回答』したことになりますね。単位の無事取得を祈願し、お土産にするなど非常に人気が高いんですよ」

「出世」の結果、ユニークな商品が生み出されたのだった。

「週刊現代」2018年1月20日号より