平成を揺るがした30人の「現在」を追う【社会・事件編】

本人・関係者が驚きの告白
週刊現代 プロフィール

「麻原を早く死刑に」

平成史で忘れてはならない最大の事件が、平成7(1995)年のオウム真理教事件だ。

麻原彰晃死刑囚も、いまだ拘置所の中だ。オウム事件の渦中で、外報部長としてたびたびテレビ出演も行った上祐史浩氏(55歳)は、「ひかりの輪」代表役員を務める。

上祐氏は、自分たちは宗教団体ではないのだと語る。

「端的にいえば、仏教や心理学の学習教室です。特定のものへの信仰はありません。

会費は毎月1000円、入会金が1万円です。会員は100人前後ですが、『通い』の非会員のほうが多い」

都内のひかりの輪本部のマンション前には、警察官が常駐し警戒を続ける。だが上祐氏は、麻原への信仰を明確に否定し、オウム後継の「アレフ」と自分たちはまったく異なるものだと主張する。

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「オウム真理教が起こした一連の事件があまりに衝撃的だったから、そう見られてしまうのでしょうが、私たちは、アレフの信者のための脱会カウンセリングも行っています」

とはいえ、かつて上祐氏は、麻原の右腕の一人だった。麻原をいまどう見ているのか?

「誇大妄想と被害妄想を抱えていて、ナチス・ドイツのヒトラーに似ている。救世主であるという誇大妄想と、弾圧されているという被害妄想があるんだと思います」

麻原の支援者たちは、麻原が心神喪失状態であるとして、刑の執行停止を主張している。だが上祐氏はこう答えた。

「私はきっちり(死刑執行を)やったほうがいいと思っています。麻原を死刑執行しないと国民感情と折り合いがつかない。死刑執行が行われないかぎり、麻原が『処刑されない救世主』として、アレフはさらなる信者を増やしてしまうことになる」

かつての愛弟子に「死ね」と言われるようになるとは、麻原も思ってもいなかっただろう。

 

次に紹介するのは、「STAP細胞」を発見したという小保方晴子氏(34歳)だ。平成26(2014)年1月に発表後、「リケジョの星」「ノーベル賞級の発見」と騒がれたが、一転、不正疑惑が浮上し博士論文が取り消された。

'16年には手記『あの日』を発表し、昨年1月からは『婦人公論』誌上で、続編ともいえる連載「小保方晴子日記『あの日』からの記録」を掲載中だ。

内容は、騒動の渦中の'14年からの文字通りの日記をそのまま掲載したものだが、時折、近況報告が混じっている。

〈2017年11月20日(月)昔から虫歯になることがすごく怖い。でも本名を呼ばれる歯医者には長い間行きにくかった。今日はついに「小保方さーん」と大声で呼ばれ、診察の結果虫歯ゼロ。1回の走りでゴールテープを2本切ったようなお得感があった〉

少しずつ、社会には馴染んできているようだが、この連載のみが対外的な発信になっている。連載する『婦人公論』の横山恵子編集長は口が重い。

「担当編集と私で担当しているのですが、原稿のやりとりについても、オープンにしていないんです。どういうことを申し上げても、良いように書かれないことが多いので、ノーコメントですね」

佐村河内氏や小保方氏の騒動と並ぶのが、平成28(2016)年、五輪エンブレムのデザインで「パクリ騒動」を起こしてしまったデザイナー・佐野研二郎氏(45歳)だろう。こちらは、快調に復活を遂げている。

「この間も、成田空港のJALのファーストクラス用ラウンジで、シャンパンを機嫌よく飲んでいるところに出くわしましたけど、相変わらず海外と行ったり来たりで調子がいいみたいですね」と語るのは電通関係者。

「海外での評価はもともと高いですし、業界内でも騒動の影響は薄れた。昨年10月にはSMAPの元メンバー、草彅・香取・稲垣の公式ファンサイト『新しい地図』のアートディレクションを手がけ、話題を呼びました」

教授を務める多摩美大では今年も卒業制作などを担当し、講評会にも出席、学生からの評判も上々。五輪騒動は、もはや過去のもののようだ。