元自衛艦隊司令官が警告「米朝戦争、空爆はこの時期に実行される」

そのとき、在韓邦人は…
香田 洋二

在韓邦人救出を巡る攻防

私は、北朝鮮空爆の可能性が最も高いのは、真夏の7月頃と見ています。

この頃、いよいよ北朝鮮が、アメリカ本土まで届く核ミサイルを完成させたと、トランプ政権が判断。またアメリカ軍も、北朝鮮の核やミサイルの保管場所、開発工場や発射台の場所などを、ほぼ正確に掴んでいることでしょう。

11月に中間選挙を控えたトランプ大統領も、夏に北朝鮮を攻撃することは、政権支持率を浮揚させるために、もってこいのタイミングです。

 

アメリカ軍の目的は、北朝鮮との全面戦争や金正恩政権の打倒ではありません。あくまでも、アメリカ本土を照準に収めるに至った北朝鮮の核とミサイルの関連施設を空爆することです。

奇襲攻撃はある日突然、北朝鮮時間の深夜に決行されるはずです。空母3隻が、闇に紛れて時速55kmの最高速度で朝鮮半島の東西両岸に向かう。サイバー攻撃を仕掛けて、朝鮮人民軍の指揮系統を無効化させる。そして潜水艦、戦略爆撃機とともに空母護衛のイージス艦から、1000発以上のミサイルを撃ち込むのです。

続く搭載攻撃機からの集中精密爆撃により、一夜にして、北朝鮮の核ミサイル関連施設を全滅させる作戦です。

アメリカ軍が奇襲攻撃を敢行する場合、日本に通知が来るのは、おそらく決行の5時間から10時間くらい前だと思います。あまり早く通知すると、北朝鮮側に情報が漏れてしまうリスクがあるし、逆に遅れると、同盟の信頼関係にヒビが入るからです。

'17年の安倍総理とトランプ大統領の蜜月関係を見る限り、日本にはきちんと事前に通知してきます。

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アメリカ軍による奇襲攻撃が開始されたら、自衛隊としては、迫り来る3つのリスクへの緊急対応を取ることになります。

第1に、最も緊急を要するのが、在韓邦人の救出です。

在韓邦人は現在、約3万8000人ですが、旅行者なども含めると、5万~6万人に上ります。

これだけ多くの日本人を短時間に救出するのは至難の業です。そのため、北朝鮮リスクが高まってきた時点で、韓国旅行は避けてほしい。また、在韓邦人の方々も、帰国できる人から、どんどん帰国してほしい。

理想は、アメリカ軍の空爆時に、民間の在韓邦人がゼロという状態です。しかし、そうもいかないでしょう。

実は昨年来、日本政府は韓国政府に対して、有事の際の自衛隊機や艦艇の韓国派遣を要請しているようです。

しかしいまのところ、文在寅政権は、これを強硬に拒否しています。韓国としては、前世紀の35年にわたる日本の植民地支配の苦い経験があるので、自衛隊だけは絶対に自国の領土に入れたくないのです。

そのため、今年も引き続き、日韓の政府間交渉が、水面下で行われるはずです。自衛隊のC-130輸送機を10機派遣して緊急搭乗すれば、一度に1000人くらいの邦人を救出できます。

ヘリコプターを搭載した護衛艦を派遣しても、やはり1000人くらい乗せられます。自衛隊を挙げてピストン輸送すれば、日韓は目と鼻の先なので、邦人保護は十分可能です。