ニトリ会長が2018年の日本経済を大予測!「今年はズバリ…」

経済予測を的中させる「財界の千里眼」
週刊現代 プロフィール

業界が丸ごとなくなる

――訪日外国人によるインバウンド消費は伸びていますが。

「インバウンド消費は、いつ引いてもおかしくない。日本人もバブル期に欧米に旅行して爆買いしていましたが、いまはしていない。同じようにインバウンド需要もいつかなくなるでしょう。

結局、給料が上がらないと消費は増えない。しかし、日本のGDPの70%以上を占めている流通・サービス業は、目の前の売り上げ低迷を食い止めるのに必死。だから賃金も消費も増えない。したがって、デフレは続いていく」

そして――。

「これから日本では多くの企業が勝ち残れずに淘汰されていく競争が本格化していく」と、穏やかならぬ予測まで語るのである。

 

そんな日本の未来を先取りするように、すでに企業がバタバタと倒れ始めているのがアメリカ。似鳥会長によれば、「アメリカで起きたことは、将来そのまま日本で起きる」。

そのため、毎年1300人ほどの社員とともにアメリカに視察・調査に出かけ、現地のナマの姿を見てきた。

'17年の視察で最も印象的だったのが、「アマゾンvs.ウォルマートの2強対決」。アメリカではすでに多くの企業が淘汰・吸収され、残る2強の直接対決に収斂してきたというのだ。

「アメリカはもう大変ですよ。'17年にアマゾンが約460店ある高級スーパーマーケットチェーンのホールフーズ・マーケットを1兆5000億円で買収したのは有名ですが、買収から数ヵ月もしないうちに、そのリアル店舗で値下げを始めているんです。

それに対抗するように、ウォルマートも約3800億円でネット企業を買収してネット通販を強化し、独自の配送網も整備するなど大改革を推し進めている。

さらに、ウォルマートはこれまでは4000坪前後の巨大店舗を構えていたのが、食品中心の1000坪規模の新店舗の出店を加速させている。ネットでもリアルでも巨大企業同士が真っ向対決しているんです。

その煽りをモロに受けている『その他大勢』。これまで世界で日本だけがデフレだと言われてきましたが、アメリカでも2強が値下げ競争を仕掛けていることで、デフレ化が顕在化してきた。多くの企業がそれに耐えきれなくなっています」

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――その実態を詳しく教えて欲しい。

「すさまじいですよ。たとえば、米スポーツ用品販売スポーツオーソリティはかつて1200坪以上の巨大店舗を450店以上抱えていたのに、すべて閉鎖に追い込まれて、スポーツチェーンという業態自体がなくなった。

大手家電量販店では約1000店を持つベストバイ1社が生き残ってはいるが、売り場の半分くらいをメーカーや通信会社に場貸ししているのが現実です。玩具チェーン大手のトイザラスも'17年、破産申請を出しました。

ショッピングセンターはもっときつくて、大型ほどテナントが離れ、埋め合わせができずにガラガラになっている。大型ショッピングセンターは、一級のテナントを集めた少数しか生き残れなくなっているんです。

一言で言えば、いまアメリカで起きているのは『寡占化』です。強い企業は業界の垣根を越えてよその業界も侵食しながら、さらなる巨大企業へと膨れていく。

勝ち残れるのはそのトップだけで、ほかは市場からの退場を余儀なくされる。業界が丸ごと消えてしまうところも出てくる」

そんな凄惨な光景が、間もなく日本全土で展開されるというわけだ。