新規上場マーケットを振り返ると見える「2017年日本経済の姿」

今年は2年ぶりに増加
田中 博文 プロフィール

ファイナンス総額はSGホールディングスが最大

【ファイナンス総額】

公募・売出しを含むファイナンス総額(OAは含まず)ですが、10億円未満が37社、20億円未満で 56社と全体の60%近くになりましたが、従来からの70%程度から比較すると総じてファイナンス額は増加傾向にあります。一番小さいのはビジネスSNS「Wantedly」の企画・開発・運営を行うウォンテッドリーの1億5000万円(うち公募4500万円)、一方で一番大きいのは、SGホールディングスの1276億円(公募なし)でした。

【オファリングレシオ】

次にファイナンス総額と同じくらい重要で、株式時価総額の何%をマーケットに放出するかという指標のオファリングレシオ「(公募数+売出し数)÷発行済株式総数(公募含む)」ですが、これは平均が27.1%でした。2016年が25.3%、2015年が25.9%、2014年は26.1%だったので、若干上昇しています。

但し、概ね新規上場時に約4分の1のファイナンスを行っているということになります。これはマーケット環境に関係なく、従来からこの程度の比率になっています。

 

今回一番この数値が小さいのは、ウォンテッドリーの3.3%でした。そして一番大きかったのは、顧客満足度・従業員満足度の向上のためのリサーチ業務及び経営コンサルティングに関する業務のMS&Consutingが、95.4%で、時価総額58億円のうち、実に55億円をマーケットで売却することになりました。結果として、公開価格1280円に対し、初値は1250円となり、初値割れなっています。

IPOマーケットは新たなステージへ

2017年のIPOマーケットは、話題性のあるものはなかったものの、安定的な良いマーケットだと思っています。一つには、マクロ環境ではまだ今一つ結果が見えづらい環境の中で、新規上場する発行体は売上高、経常利益等、しっかりと申請期の業績を作って来たこと、そして、それを好感し、マーケットも旺盛な需要が創生された結果、2016年比でバリュエーション、騰落率が大きく改善されました。

今まで2年連続で停滞気味だったIPOマーケットは2017年に新たなステージ入ったと考えており、この傾向は2018年も続くと考えています。

2018年は2017年に上場延期となったメルカリや、満を持してのQBハウスなど、楽しみなネームの上場が噂されており、引き続きIPOマーケットの活況を期待したいと思います。

拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただき、まことにありがとうございました。2018年も何卒、よろしくお願い申し上げます。