新規上場マーケットを振り返ると見える「2017年日本経済の姿」

今年は2年ぶりに増加
田中 博文 プロフィール

株式時価総額は5187億円から8億円まで

これも2017年は大きな変化が見られました。公開価格で計算した株式時価総額の分布ですが、従来は2014年が100億円未満で全体の60%、2015年は72%、2016年は75%と小型化していたのが、2017年は100億円未満で64%と回復して来ました。特に100億円~500億円が16社から25社と大きく伸長しています。

 

一番小さいのは、ダイレクトマーケティング事業(ビッグデータ等の分析、マーケティングシステムの提供、各種プロモーションの企画・政策・コンサルティング)のフュージョンで8億2100万円でした。本件は札幌アンビシャス銘柄であり、マザーズの上場基準である株式時価総額10億円を超えられないための上場市場選定と思われます。

また、時価総額で一番大きかったのは、SGホールディングスの5187億円で、次には「スシロー」ブランドでその回転すし全国チェーン展開のスシローグローバルホールディングスの988億円でした。

2016年はLINEの6929億円、九州旅客鉄道の4160億円がありました。2015年は日本郵政3社の株式時価総額は全て1兆円以上で、その次はベルシステム24ホールディングスの1136億円、デクセリアルズの1080億円でした。

2014年はリクルートホールディングス1兆7994億円以下、西武ホールディングス5474億円、ジャパンディスプレイ5412億円、すかいらーく3378億円、日立マクセル 1104億円だったことを比較すると、2017年は1000億円以上の大型案件の数が少なかった年でもありました。

初値騰落率は82勝8敗

90社の公開価格に対する初値の騰落率は、初値が公開価格を上回ったケースが82社、公募割れが8社でした。2016年が67勝15敗1分けだった2016年から勘案すると、大きく改善されました。2017年は騰落率が100%~200%(公開価格の2倍~3倍)となった社数が2016年の16社から29社に大幅に増加しました。