「まさか自分が…」年末年始に突然、路上生活を強いられる人々

いま本当に必要な「支援」とは何か
大西 連 プロフィール

「枠」にとらわれない支援を

「ふとんP」利用者の多くは、年明け後に生活保護の申請をおこなう。

貧困ビジネスのような劣悪な環境の施設から逃げて来たり、法的なトラブルを抱えていた人は法律家につないだり、緊急的に医療的な支援を必要としている人には「ふとんP」協力医師が紹介状を書いたりと、年明け後もフォローしていく。実際にすぐに入院になった人もいた。

また、定職に就いていながら事情があって住まいを失ってしまった人や高齢と障がいで車いす生活で適切なアパートが見つからなかった人の一部に、アパートを借りる費用の援助をおこなったこともある。

これらは、一般的には「住居確保困難者」と呼ばれる人たちだが、彼ら彼女らが独力でアパートを借りることの困難さを、伴走しながら感じた。

たいていの場合、元ホームレスや精神障がい、はたまた、75歳以上などの状況だと多くの民間のアパートの大家さんには嫌がられてしまう。

 

今年の2月に「住宅セーフティネット法」とも呼ばれる「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が改正されたが、支援の現場では喫緊の課題だ。

また、生活保護の申請にいたらなかった人では、年明け後に住み込みの仕事や、派遣の仕事に戻っていった人たち、いわゆる空き缶集めなどをしながらのホームレス生活に戻った人がいる。

そのなかには、派遣先で事前に聞いていた労働条件と違うといった相談もあり、継続的に支援をしている。

例えば、2015年よりスタートした生活困窮者自立支援制度では、生活保護の手前の人を支援するための施策が用意されていることになっているが、実際には、住所はないが一定以上の収入はある、などの人は対象外となっている。

さらに、そもそも宿泊場所が転々としてしまうためにどの自治体で相談したらいいかわからないなどのさまざまな制度の狭間、自治体同士の連携不足やたこつぼ化など依然として課題が多い。

自治体という「枠」でなく、一定の収入という「枠」ではなく、障害手帳を持っているかいないかという「枠」でなく、支援を利用したことがある・うまくいかなかった経験があるという「枠」でなく、いま目の前のいるその人を見た支援や施策、制度というものを考えていく必要があるのではないか。