「まさか自分が…」年末年始に突然、路上生活を強いられる人々

いま本当に必要な「支援」とは何か
大西 連 プロフィール

相談者が貧困におちいった背景

2013年~2014年の年末年始からスタートした「ふとんP」では、前述したように高齢で病気を抱えた人、日雇労働等で生計を立てていたが職を失った人、精神障がいや知的障がいを抱えた若年層の人などを受け入れてきた。

これまで支援してきた90名以上の人のうち8割以上は、健康面での不調を抱えていた。

路上生活や不安定な住居、ホームレス状態におちいる人のなかに、健康面での不調を抱える人が多いことは旧知の事実だが、他の調査(ホームレスの実態に関する全国調査等)との違いは、障害者手帳(身体・精神・療育)を所持している人の割合が1割以上にのぼったことだ。

※平成24年ホームレスの実態に関する全国調査によれば、手帳所持者は1.2%、以前持っていたがなくした人は1.0%だった
 

障害者手帳ということは、障害者福祉につながりサービス等を利用していたことがある人だということ。

彼らが住まいを失っていたことは、家族のトラブルや離別(死別)、医療機関とのトラブル等により、路上にでてきてしまったことを意味する。

支援とつながっていた人が、そこから断ち切れてしまい極寒の路上で寒さをしのぐ……そんな事態が起きていることは衝撃的だ。

また、ここ2年の大きな傾向としては、生活保護を利用したことがある人が50%以上、なかには現在進行形で利用している人もいた。

生活保護を利用していた(利用している)人が、なぜ住まいを失ったのか。

劣悪な環境の施設や病院での生活に耐えられずにそこを飛び出た、人間関係のトラブルによって住まいを出ていかざるを得ないなど、さまざまな事情があった。

支援を受けていた人が、支援が断絶し路上にでてきている。もちろん、支援が断絶した理由にはさまざまなものがあり、本人に課題や原因があるものも含まれる。

しかし、それを差し引いたとしても、障がいや困難を抱えて地域で暮らしていた人が、容易に路上生活におちいりやすい状況があるということ、また、そういった人たちが障がい等の理由によって、一人で制度にアクセスすることができずに路上にとどまってしまっていること、いざ生活保護や障害福祉サービスにつながったとしても、そこでのトラブルや住環境の悪さ等によって、持続して支援を利用することが難しい状況になってしまうことなど、私たちの社会の側の課題が浮き彫りになっている。