「まさか自分が…」年末年始に突然、路上生活を強いられる人々

いま本当に必要な「支援」とは何か
大西 連 プロフィール

国が定義する「ホームレス」では不十分

「ふとんP」のシェルターは、過去4回の実施でこれまで90名以上の人が利用した。

性別は、男性が7割以上、女性が2割強、セクシャルマイノリティーの人もいた。

各地の支援団体等では個室の宿泊先などを確保することができないことも多く、例年、女性やセクシャルマイノリティーの人の相談が寄せられる。

年代としては、昨年のみのデータだが、34歳以下が17%、35~49歳が25%、50歳~64歳33%、65歳以上25%と、同様のホームレス調査などと比べると若年層が多い。

また、最高齢は90代、最年少は20代前半と、幅広い人にシェルターを提供している。

平均年齢は約48歳(過去4回のデータより)であり、いわゆる野宿者の平均年齢が59.3歳(平成24年度ホームレスの実態に関する全国調査)であることを考えると、住まいを失った生活困窮者の実情は国が定義する「ホームレス」だけでは不十分であることを如実にあらわしていると言えるだろう。

〔PHOTO〕iStock

もちろん、全体的には50代以上が多いのだが、年代によってこれまでの経歴や現在の住まいの状況、生活歴などは傾向が見える。

具体的には、60代以上の人には長期の路上生活経験者が多く、高血圧などの持病を抱え、相談に来た人が多い。長らく建築業などで日雇労働をしてきたが、仕事を得られなくなり支援を求めてきた人もかなりの数いた。

40〜50代の人には精神疾患を抱えていたり依存症の問題を持っていたりする人が多かった。また、この年代の人のなかには、生活保護を利用した経験を持つ人もいた。

その多くは、生活保護利用中に入所した施設でトラブルにあったり、人間関係がうまくいかず(病気や障がいのためとも思われる)、支援からこぼれてしまった人たちであった。

そして、20〜30代の人に多かったのは、ネットカフェや知人宅を転々としながら、日雇や派遣で働いている人たちだった。

いずれも、正規職員として働いた経験が乏しく、家族との関係に問題を抱えていたり、家族が困窮していたり、孤立していることが多かった。

また、この年代の人のなかには、軽度の知的障がいをもつ人などもいた。