「ビットコインの次」すでに始まった金融革命に乗り遅れるな

これが「ブロックチェーン」の真の力だ
中島 真志 プロフィール

「証券決済」にも応用される

金融分野におけるブロックチェーン(DLT)の応用先として、国際送金に並んで有望視されているのが「証券決済」の分野である。これは、証券(株式や国債など)の取引を行ったあとで、清算(差額の計算)や決済(証券の受渡し)を行うプロセスである。

証券市場では毎年巨額の取引が行われており、しかも当事者が多く複雑な仕組みとなっているため、証券決済に膨大な手間とコストがかかっている。このため、DLTを使って、このプロセスを効率化しようとする実証実験が多くの国で行われている。

この分野で世界をリードしているのが、米国の証券市場「ナスダック」であり、未公開株を対象とした「ナスダック・リンク」というプロジェクトを稼働させている。未公開株はこれまでシステム化が進んでいなかったため、分散型台帳に記録するかたちで発行や売買を行うことによって、大幅な合理化とリスク削減ができるものとされている。

また、米ゴールドマン・サックスでは、決済コインを使った証券決済の仕組みで特許を取得している。これは、IBM株を表す「IBMコイン」やグーグル株を表す「グーグルコイン」、米ドルを表す「USDコイン」といった「決済用コイン」の受渡しによって、分散型台帳環境において株式の受渡しや資金の受払いを行おうとするものである。

さらに、豪証券取引所(ASX)では、中心的な業務である「上場株式」について、清算・決済業務に本格的にDLTを利用する計画を公表している。

 

2018年に起きる「激動」

証券界におけるDLTの実証実験の動きは、かなりの広がりをみせている。

DLTを用いた実証実験を行っている証券取引所は、上記のほかにも、日本取引所グループ、香港証券取引所、スイス証券取引所、ロンドン証券取引所、ドイツ取引、イタリア証券取引所、トロント証券取引所、韓国取引所、インド国立証券取引所など、数えきれないほどになっている。

世界の証券取引所がこぞってDLTの可能性に注目しており、競い合って新技術の確認に動いているのが現状だ。

このように、金融分野におけるDLTの利用については「国際送金」と「証券決済」が2大先進分野となっているが、このほかにも、貿易金融、シンジケート・ローン、電子議決権行使、コーポレートアクション、ノストロ照合など、様々な分野への応用が試みられている。

ブロックチェーン(DLT)は、分散型帳簿をネットワークの参加者間で共有する仕組みであるため、複数の当事者が同じデータをリアルタイムに共有するのに向いている。この仕組みが応用できる分野をいち早く見つけ、さまざまなシーンでDLTの導入を図っていくことが、今後のビジネスにおいては「成功のカギ」となるであろう。