若くして大金を得た成功者・社長が明かす「不安と苦悩、使い道」

稼ぐことより、稼いでからが難しい 
週刊現代 プロフィール

子供に贅沢はさせたくない

日本最大級の化粧品の口コミサイト「@cosme」を運営するアイスタイル社長の吉松徹郎氏(45歳)は、自身の経験からおカネの大事さと怖さを理解している。

「化粧品の商品情報と口コミを中心としたデータベースビジネスを考えて、'99年に起業しました。

まだ『食べログ』も存在しない時代。口コミサイトというものを投資家に理解してもらうのは大変でしたが、ユーザーからは支持を受け、日に日にアクセス数が増えていました。

だが、そのタイミングでITバブルが弾けました。あらゆるベンチャーキャピタルを回っても資金調達できず、給料も払えない状態に追い込まれました」

 

そんなとき、吉松氏は不思議な体験をする。九州で新しいビジネスに投資したいという人物がいるという話を知人から聞き、ワラにもすがる思いで訪れた。

「通された部屋は銀行の金庫のような頑丈な扉で閉ざされていて、中に入って待っていると、その方が無言で現れました。

詳細なビジネスプランを聞かれることもなく、『どこから来たのか』、『何をやっているんだ』など、ポツポツとした禅問答のような会話が、8時間ほども続いたように思います。

最後に『いくら必要なんだ』と聞かれ、『1億円です』と答えたら、その場で小切手を切り、『頑張れよ』と一言。契約書を交わすこともなく、初めて会った方が無条件で26歳の若造に投資してくれたことは驚きでした。

その時、絶対にこの人を損させるわけにはいかないという覚悟が決まりました。それからは、しっかり利益を出すということに注力し、おかげで起業して3年目には黒字に。上場したときには投資家に10倍返しすることができました」

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二代目が勘違いをして親の身代を食いつぶす例は枚挙にいとまがない。古今東西、資産家は子供の教育で苦労してきた。

おカネの重要さを知っているからこそ、吉松氏もまた、子供の教育は「普通」であることを大事にしている。

「まだ小さい子供がいるので、生活環境には気を使っています。むやみに贅沢させることはしたくないんです。なので、自宅も2LDKの賃貸マンションです。旅行も、子供が一緒のときはエコノミークラス。普通の生活をしています」

せっかく作った会社を潰さないように。子供に分不相応な物を与えて、人生が狂わないように。若くして大金を得ても、それはゴールではない。むしろ、庶民には縁のない「不安と苦悩」の始まりなのであった。

「週刊現代」2018年1月6日・13日合併号より

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