若くして大金を得た成功者・社長が明かす「不安と苦悩、使い道」

稼ぐことより、稼いでからが難しい 
週刊現代 プロフィール

カネがあるから喧嘩する

若くして一生遊んで暮らしていけるだけの資産を築いたのだから、気兼ねなくおカネを使えばよさそうなものだが、若い成功者だからこそ、そう単純ではないらしい。

ビッグデータ解析やAIによる業務支援サービスを提供するユーザーローカル社長の伊藤将雄氏(44歳)はおカネを使わない。いや、使えない。

「日本社会に閉塞感があるのは確かですよね。日本人の寿命が長くなったために、将来が不安になっている人が多い。景気がいいと言われながら、個人消費が振るわないのもそのためでしょう。

私自身も同じことを考えています。すぐ死ぬとわかれば、ぱっとおカネを使うかもしれませんが、あと50年近く生きるかもしれないと思うと、無駄なことに使えない。

一度でも贅沢の味をおぼえてしまうと、後で大変だと思うので贅沢をしません。飛行機もファーストクラスはおろか、ビジネスクラスにも一度も乗ったことはないし、乗りたいとも思わない。

自分のライフスタイルが変わることが怖いんです。ビジネスクラスに乗り続けるために事業を頑張るというのも一つの考えだし、それは否定しませんが、自分には合わないと思います」

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そうは言っても、時価総額で150億円近くの資産を持っている身だ。多少株を処分して、ビジネスクラスに乗ってもバチは当たらないだろう。だが、このストイックさが新しい経営者の特徴なのかもしれない。

もうひとつ、資産を築くと苦悩のタネになるのが、資産の継承だ。今回ランキングに名前の挙がった経営者の多くは、株式の保有に自身の資産管理会社を噛ませて、将来の相続税対策に何らかの手を打とうとしているフシが窺える。

 

三和銀行出身で、41歳のときに独立し、金融機関や公共団体向けのコンサルタント業務を営むサインポスト社長の蒲原寧氏(52歳)はこう喝破する。

「嫁さんとも話しているんですけど、これ以上、資産が増えても、もう買うものがないんですよ。住む家はマンションで十分だし、子供も社会人になっているから、豪邸も要らない。

東北や熊本で大地震が起きたときは寄付をしました。でも、それくらいです、おカネを使うのは。

子供にもおカネを渡さないほうがいいですよ。資産があるから喧嘩するんです。大塚家具のケースもそうですよ。おカネがなかったら、お父さんと娘さんで仲良く暮らしていたわけでしょう。

カネなんて飯を食えるだけあるのが、一番幸せなんです。カネが争いのタネになるくらいなら、ないほうがいい。

私、松下幸之助先生が大好きで、車の中で肉声のCDを聞いているんですが、先生も同じようなこと言っています。『カネ儲けは大変やけど、使うのはもっと大変や』って」

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