資産数百億円!日本の「新しい大金持ち」が明かす本音とカネの使い道

カネの遣い方も昔とガラリと変わった
週刊現代 プロフィール

ここまでに登場した4名に共通するのは、趣味におカネはかけないという清々しい姿勢だ。日々忙しく働き、それでいて仕事が楽しく、使命感に燃えている。一山当てて後は楽な暮らしをしようなどとは微塵も考えない。

女性との火遊びなんてとんでもない。今後、築いた財産を社会に還元しようとさえしている。派手さはないが、これが新しい実業家たちの素顔なのかもしれない。

東大発のバイオベンチャーとして注目を集めるペプチドリーム会長の窪田規一氏(64歳)も、自分の資産にまったく頓着しない。

「たしかにおカネ持ちになった実感がないと言ったら、ウソになります。上場時に保有株の一部を売らせていただいた際には、国産車から外車に乗り換えたり、少し広い家に買い替えたりしましたので金銭的に潤った感覚はあります。

しかし、576億円(保有株の時価総額)については『なんじゃ、それ?』という感じですよ」

 

同社は東京大学大学院の菅裕明教授が開発した「特殊ペプチド」技術を使った創薬システムを販売し、自社創薬も手がける。窪田氏が続ける。

「世の中には治療薬がない疾患はたくさんあります。そういった病気で苦しんでいる人に効く薬を届けたい、というのがこの会社の目的なんです。

もしかしたら、いずれ保有する株をキャッシュにできるタイミングが来るかもしれません。その時には、そのおカネでベンチャーを育てたいですね。この国の将来を考えると、20年、30年後の基幹産業をバイオの分野に担わせたいんです」

還暦を過ぎてから資産を築いた経営者は他にもいる。マニュアル作成受託のグレイステクノロジー社長・松村幸治氏(62歳)は、松下幸之助氏と面識がある。

Photo by GettyImages 松下幸之助

「松下さんの本をよく読んでいたのですが、きれい事しか書いていないように思えて、26歳のとき、松下電器に毎日電話したんですよ。半年かけ続けたら、会ってくれることになった。色々教えていただきましたよ。

『仕事相手はカネやと思いなはれ。そしたら(嫌な相手でも)素直に頭を下げられるでしょ』と。あとは『商品を売ったからには100%回収しろ。それをやらないから、みんな倒産する』とかね。

それから名だたる経営者に会いました。日本マクドナルド創業者の藤田田さんからは、社外秘の経営マニュアルの中身を聞かせていただきました。

パンに含まれる気泡の大きさから、お客さんがおカネを払いやすいカウンターの高さまで2万5000点のノウハウが凝縮されたものでした。

本田宗一郎さんには、『寝ても覚めても何をしていても、物を作るんだったら、作ることだけをずっと考えろ!』と言われました。あの人は熱い人だと思いましたね」