はあちゅうの「セクハラ告発」が日本企業に突きつけるモノ

#metooがもたらす2つの効果
中野 円佳 プロフィール

企業はCSRとして対処を

この動きをただのネット上のゴシップ、自分たちとは関係ない他人事のように見ている人たちがいるとすれば、その中にも、ゾッとしたほうがいい人たちがいる。それは企業経営者や人事、広報……など、企業の中の人たちだ。

私は電通の高橋まつりさんの過労自殺事件を機に「コイツには何言ってもいい系女子」の取材をしているが、職場で様々なハラスメント被害に遭いながら、上司や人事が味方をしてくれなかったり、まったく把握できていなかったりするケースが大半だ。はあちゅう氏の事案は、お互いに独立してから表ざたになったわけだが、基本的には電通社内の関係性のなかで起こったことだ。

 

私が取材で聞いている耳を疑うようなハラスメントも、多くの、誰もが名前を知っているような大手企業で起こっている。「愛ある指導」「愛あるいじり」と思っていることが相手を追い詰めていることがある。被害者たちが社名を出さないのは、まだ勤めていたり報復を恐れていたりするからだ。

その人たちが会社を辞めたり、#metooの動きがさらに進んだりする中で、企業内で起こったことを社名を上げて告発したくなる被害者たちも出てくるだろう。

photo by iStock

私はいかような形であれ、スピークアウトがしやすい社会になったほうがいいと思っている。しかし、悩みぬいた上で様々なリスクを背負いながら最終的にネットで公開しないといけないという状況になる前に、組織で起こっていることは組織内で適切に対処されれば、未然に防げたり解決したりすることも多いと感じる。

企業は、CSRとして、そしてブランディングやマーケティングの観点からも、内部でのハラスメントに本当に真摯に対応したほうがいい。

そして、組織内において、声をあげやすい風通しのいい風土、声をあげた人のほうが責められたり、噂話を流されたりという不利益を被るようなことのない仕組みを作る必要がある。加害者が優秀だからという理由でハラスメントを免除していると、おそらく加害者本人のためにもならないし、まわりまわって職場の生産性を下げ、組織を腐らせる。

上野千鶴子さん推薦! 人事部必読! !

関連記事