はあちゅうの「セクハラ告発」が日本企業に突きつけるモノ

#metooがもたらす2つの効果
中野 円佳 プロフィール

はあちゅう氏告発の2つの効果

当事者が言葉にして発信していくことには、いくつかの効果がある。1つは、過去に同じような経験をした人に、「あなただけじゃない」と呼びかけ、ともに立ち上がる効果。もう1つは、世の中の認識を広め、将来同じような経験をする人をこれ以上増やさない効果だ。当然、1つ目の効果は2つ目の効果を増大させる。

 

今回、はあちゅう氏が実名で、そして、相手も実名にて声をあげたことについて、私はこの2点において、非常に大きな意義があったと感じる。

伊藤詩織さんの訴えはいくつもの重要な論点を社会に提起したが、スピード感をもって様々な論点を書き下ろし著書で発信された点など、多くの被害者にとって「自分も」と続くには距離のある事案だったかもしれない。

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それに対し、はあちゅう氏の告発は、主に言葉によるハラスメントに対する訴えであること、はあちゅう氏の知名度やTwitterとの親和性などもあり、似たような経験を「自分も」と告発しようと思う人たちを喚起する効果があったと考えられる。

また、加害者側を実名で告発したことで、世の中の「何らかの心当たりのある加害者」を、自分も告発されるのではないかとゾッとさせる効果も十分にあっただろう。

はあちゅう氏自身の意図やこれまでの言動がどう捉えられようが、こういう言動をすると、何年後かに足をすくわれる可能性がある、ということを知らしめた意味が十分にあったのではないか。これは将来の被害の抑止力として大きい。

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