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六代目山口組に再分裂の危機が起こるのはこの時だ

溝口敦×鈴木智彦が深層分析

2018年、山口組はどうなるのか。ジャーナリストの溝口敦氏と鈴木智彦が見通しを語った。

抗争危険地域は「ミナミ」

鈴木 三すくみ状態の「山口組三国志」の行く末を占う最重要人物は、弘道会会長の高山清司六代目山口組若頭(70歳)です。現在は服役中の高山若頭の出所は、2019年になる予定です。

溝口 ただ、未決通算による刑期短縮で高山若頭の出所が'18年中に早まる可能性もある。

鈴木 '19年4月の天皇退位による恩赦がヤクザにも行われるかもしれない。先の大戦後、サンフランシスコ講和条約の恩赦では、戦争犯罪者とされた人たちも対象になった。高山若頭の出所が'18年中に早まってもおかしくはありません。

溝口 出所したとき、司忍組長(75歳)と高山若頭の関係はどうなるか。はっきり言って、司組長の手腕には疑問符が付く。

'11年に出所した司組長は、泥沼の分裂劇を招いた張本人なわけですから。組員の中には「イロボケ」と司組長を謗る声もあるほどです。

鈴木 弘道会という最大勢力を抱え、現在、六代目の屋台骨を支える三代目弘道会の竹内照明会長、さらに野内正博弘道会若頭補佐といった実力者たちは、当然ながら高山若頭に近い。

溝口 そうすると、司組長の肩身はだんだん狭くなる。司・高山が並び立ったとき、人間関係は間違いなくギクシャクするでしょう。司組長がおとなしく引退するとは考えにくい。六代目にも再分裂のリスクはあります。

鈴木 とはいえ現状では、その六代目が最も大きな組織力を持っています。ただ、神戸山口組、任侠山口組、この三国の勢力争いは、静かにしかし激しく進んでいます。はたして、どこが抜きん出るのか。

溝口 忘れてはいけないのは、ヤクザは人気商売だということ。世間の評判、プラス「派手なこと」をしないと、カネも人もついてこない。

鈴木 やはり、「誰か殺さないとダメ」ということですね。社会がどう、法がどうと言ったところで、誰か殺せば、一発逆転もありえる。それがヤクザの世界です。

その意味でいうと、再分裂で井上邦雄組長(69歳)の求心力が低下した神戸は、何としても裏切り者の任侠・織田絆誠代表(51歳)をとりたい。

最近、神戸の組員と話したところ、井上組長のことを「井上が~」と呼び捨てにする人間が何人かいて、驚いたんです。

溝口 神戸の立場からしたら、織田代表をもう一度狙うのがベストなのは間違いない。一度は失敗に終わったものの、神戸はこのまま引き下がるわけにはいかない。