冬の鍋はこれで攻略!「だし」を簡単に味方につける方法

あごだし湯豆腐に明太チーズ茶漬…
梅津 有希子 プロフィール

だしの取り方は自由でいい

 「だしをとるのは難しい」「だしをとるのはめんどくさい」。以前のわたしはそう思い込んでいた。みそ汁には顆粒だしをザザッと入れて、うどんを作るときにはだしパック。 

そんなわたしでもだし生活がすっかり定着したのは、「だしのとり方に正解はなく、自分流でいい」ということがわかったのと、「挫折しないだしのとり方」が身についたからだろう。

これまで、プロの料理人や料理研究家、だしメーカーなど、たくさんのだしのプロに「だしのとり方」を取材してきたけれど、誰ひとりとして同じとり方の人はいない。数学のように、正しい解答があるわけではなく、自分のやり方で何の問題もないということがわかり、「そうか、だしは自由でいいんだ」と、胸にすとんと落ちたのだ。

毎日作るごはんだからこそ、負担にならない方法じゃないと続かない。いろいろ試してたどり着いたのが、「コーヒードリッパーでとるかつおだし」と、「麦茶ポットで作る昆布だし」。この2種のだしをベースに、煮干しだしや干し椎茸だしなど、何らかのだしを冷蔵庫に常備し、料理や気分に合わせて使い分けるようになった。

このやり方で、わたしはだしをとることへのハードルが一気に下がり、今ではまったく面倒ではなくなった。ポイントは、新品のコーヒードリッパーを使うことくらいだ。普段コーヒーを淹れているドリッパーには、コーヒーの香りがしみ込んでいるので、だし専用のドリッパーを用意しよう。スーパーなどでも入手しやすい「メリタ」や「カリタ」でも、雑貨屋さんに並んでいる、かわいい陶器のものでもなんでもOK。100円ショップのものでも十分だ。

実際やっているようにコーヒードリッパーで「だし」を取る梅津さん。写真/北欧・暮らしの道具店

世界一簡単なだしのとり方

【ドリッパーかつおだし】

コーヒードリッパーにフィルターをセットし、かつお節をバサッと投入。熱湯を注ぐ。かつお節5gに熱湯180ml程度が目安。冷奴やおひたしなどに使う、小分けのかつお節パックだと一度に使い切れて便利。

【鍋でとる黄金だし】

たくさん使うときに。鍋に水1Lを入れ、沸騰したら火を止める。かつお節を30g入れ、沈むまで1分待ち、キッチンペーパーをのせたザルで濾す。1分で十分だしが出るが、別に3分や5分経っても問題ないので、厳密に時間を計らなくてもだいじょうぶ。料理研究家やプロの料理人の本には、「雑味やえぐみが出るため、かつお節は決してしぼらないこと」と書いてあるけれど、わたしの舌では雑味もえぐみも気にならず(笑)、その後醤油やみそなどの調味料も入れるので、しぼれるだけ思いっきりしぼっている。だって、もったいないではないですか。

【麦茶ポット昆布だし】

麦茶ポットに水1Lとだし用昆布10~20gを入れ、冷蔵庫で1~2晩おく。水の硬度によって抽出時間が変わり、軟水の関西は1晩、関東以北は2晩おいたほうが、しっかりとしただしが出る。冷蔵庫で1週間程度保存可能。
 
【煮干しだし】

保存容器に水400ccと煮干し10尾を入れ、冷蔵庫で1晩おく。

【干し椎茸だし】

保存容器に干し椎茸とひたひたになるくらいの水を入れ、冷蔵庫で1晩おく。

 

塩分もスイーツも不要になってくる

朝はコンビニ、昼は牛丼、夜の飲み会では唐揚げとビール、日本酒が進む塩気の濃いつまみ。そして、締めは深夜のラーメン。こんな生活を続けていると、塩分はあっという間に1日の摂取目標量をオーバーするどころか、ラーメン1杯で10gを軽く超えるものもある。

脳出血や脳梗塞、心筋梗塞など、命に関わる重大な病気につながる高血圧は、通称「サイレント・キラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれており、自覚症状がないことから、放置しているとある日突然生命を脅かされるという展開も少なくないという。ゆえに、高血圧になるのを予防する上でも、日頃から塩分を控えておくに越したことはないのだ。