「無駄なモノを作って稼ぐ」24歳女子がたどり着いた、新しい生き方

現代の表現とお金について
藤原 麻里菜 プロフィール

また、工作の技術もどんどん上がり、できることが増えたというのも大きい。Twitterを名刺代わりにしようと決め、今まで作った工作をアップして拡散を狙った。

最初は「視聴者に迎合するの嫌だ」と作家ぶっていたものの、一回バズると「自分のこういう部分って世間にウケるのか!」と気づき、バカの一つ覚えのように同じような視点でものを作ったりもした。

Twitterを中心に徐々に知名度も上がり、仕事の依頼がくるようになった。企業とコラボして工作でプロモーションを行うこともある。ブログが拡散されているのを見て、ウェブメディアから連載の依頼もきた。

でも、文章が下手すぎて自分の頭の中にあることが全く表現できないことに気づいた。あそこで小説家になろうとしなくてよかった……。

とにかく文章を書いて添削してもらわなければと考え、編プロの知り合いに頼み、ライターの仕事を振ってもらった。文章の基本をみっちり教えてもらい、スキルと場数を積み重ねていった。

徐々にバイトの日数が減っていき、ついに退職を申し出た。「無駄づくり」を中心とした好きなことで食べていけるようになった。

「食えている」=正解とは限らない

成功体験のようにろくろを回しながら語ってしまったが、実はバイトを辞めたのは2017年8月ごろ、ほんの数ヵ月前だ。貯金は全くないし、水道代が払えないくらい困窮した月もあった。

そういえばこの前、仕事の合間に牛丼を食べていたら、「私が『無駄づくり』で稼いだお金で牛丼を食べられているんだな」と泣きそうになった。

とりあえずは、食べられるようになった。次は食べ続けていく努力をしなければならない。

表現の世界において、決して「食えている」ということが正解とは限らない。

サラリーマンをしながら本を書いて、それがベストセラーになった友人もいる。ネットはせずにテレビだけを目標にバイト生活をしている先輩芸人もいる。生活費をクラウドファンディングで集めているクリエイターもいる。

自己表現をする人それぞれが、それぞれの目標を持って、それぞれの価値観で、生活費を稼ぎながら、自分の好きなことができればいい。ウェブ上でマネタイズできるツールが日々増えていく中で、その多様性が生まれていくだろう。

いつかYouTubeもTwitterも全部が消えてしまったら、そこでお金を稼げなくなるかもしれない。

しかし、私には作りたいものが山のようにあり、表現したいものが頭の中でうごめいている。頭の中にあるものをそれ以上に面白くできる。

私は自分自身を信じてこれからも無駄なことを作っていくのだろう。そして、なるべく好きなことで稼いでいこう。

この人生を無駄にしないために。