専門家が選ぶ、AI革命で「伸びる会社・沈む会社」全実名

EVで出遅れたあの会社はトップ陥落も
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ヨドバシは勝ち残る

そんなAI革命と同じく、'18年に本格的に始まるのがEコマース革命。

'17年にアマゾンジャパンが生鮮宅配を始めたり、個人間で商品を売買するフリーマーケットアプリ『メルカリ』が急成長したり、従来とは違うプレイヤー同士が業界の垣根を越えてパイを奪い合う熾烈な競争が激化しているのは周知の通り。

 

明治大学国際日本学部教授の小笠原泰氏は、「'18年はこの動きがより加速し、少数の勝者しか残れなくなる」と言う。

「たとえば、メルカリにすでにやられているのが子ども服業界。子どもの成長が早いため、使える期間が1年ほどに限られる子ども服は、もはやメルカリで中古品を買うのが常識となりつつある。

時間を有効活用できて、コストパフォーマンスも優れるため、これからは冠婚葬祭で着るよそ行きの服から、ベビーカーですらメルカリで買って、使ったらすぐに売るという風になっていく。そうなればミキハウスの三起商行、西松屋チェーンなどは厳しい。

Eコマースはあらゆる汎用品を扱い、便利かつ安価で提供するため、コンビニ、スーパー、ドラッグストアなど小売業界すべてが安泰ではない。

ヤマダ電機などの郊外型家電量販店などは真っ先に客を奪われる危険性がある一方で、客が実店舗に訪れる『理由』を作れる小売りは生き残れる。

コインランドリーと一体化させた店舗開発を進めるファミリーマート、都心の一等地に店舗を構えてレジャー機能も強化しているヨドバシカメラなどがその典型。

一方、規模で劣る企業はどんどん淘汰されるので、ドラッグストア大手のマツモトキヨシHDでさえ、売上高5000億円規模では厳しくなってくる」

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意外なところでは、Eコマースの進展であおりを受けるのが総合商社。ここ数年は業績好調で、就職人気ランキング上位の常連組だが、「'18年は総合商社の凋落が始まる年になる」――。

元東京理科大学理事長で、現在はUWiN社長の中根滋氏は指摘する。

「Eコマースが拡大することで、メーカーは直接消費者にモノを届けられるようになる。そうなると、これまで川上と川下をつないでいた川中の仕事は『中抜き』されるようになり、商社が必要なくなる。

ここ数年で三菱商事がローソンを、伊藤忠商事がファミリーマートを傘下に入れる動きを活発化させていたのは、まさにそうした危機感の裏返し。

川中のビジネスだけでは生き残っていけないと気づき、みずから消費者と直結する川下へ降りている。しかし、これまで商社が担ってきた機能はアマゾンの購買部、物流部などが担うようになっていく。商社が活躍できる時代はもう終わった」