2017年、「インスタ映え」が流行語大賞に選ばれました。インスタグラム上で話題になったものが流行し、インスタグラム上で人気になったお店には行列が絶えず……メディアでもその現象がたびたび取り上げられました。
私は、インスタグラムアカウントの分析ツール(国内約6000社が利用)やインスタグラマー検索ツールを運営しており、インスタグラムを中心としたマーケティング支援をおこなっています。
言葉ばかりが一人歩きする「インスタ映え」。結局のところ、なにが「インスタ映え」していたのか? なにがインスタグラムで流行ったのか? その実態を掘り下げてみたいと思います。
そもそも「インスタ映え」とは、インスタグラムのユーザーが、数多くのいいねやコメントが獲得できそうな、インスタグラム上で注目される投稿を指します。
今回、弊社に登録している約1,300人の人気インスタグラマーによる投稿の画像解析結果を通して抽出されたトレンドの中から、さらにインタビューによって2017年ならではのトレンドワードを調査しました。
全体として、話題になったものは、ネオンカラーなどの蛍光色が目立つ1990年代を感じる派手なものが多く、商業的な「インスタ映え」を象徴するような結果になりました。
1. 壁
神奈川県・横浜の「エンジェルウィングス」、東京都・神田の「アテネフランセ」、東京都・原宿の「NOW IS FOREVER」など、全国各地で派手な「壁」が注目された1年でした。
「インスタ映え」と言うと、お金がかかったり撮影や加工が難しかったり、慣れない人にはハードルの高いものが多かったりする中、新たにインスタグラムを始めた人々でも、手軽に、費用をかけず、おしゃれな構図の写真を撮れることから、人気スポットになりました。
また、写真の素人でも、「シンメトリー構図」で写真全体の左右の対称性から統一感を保ちながら「サンドイッチ構図」で両側に挟まれた中心のものを強調する、というような撮影手法を、壁の前に立つだけで簡単に実現でき、インパクトのある写真が撮影できることも注目された理由の一つと言えるでしょう。