日本で国民的ヒット曲を生み出すための「最も有効な仕掛け」とは

2017年は「恋」の年だった
柴 那典 プロフィール

「売れた枚数」から「聴かれた回数」へ

最後に、2018年にはどんなヒット曲が生まれるか考えてみたい。

予測は難しいが、これまで以上に日本でもストリーミングサービスの定着が進んでいくことは間違いないだろう。

2015年にApple MusicやLINE MUSICやAWAやGoogle Play Music、2016年にSpotifyがサービスを開始した後も、大物アーティストが楽曲を提供していないことが日本におけるストリーミングサービスの普及を妨げる要因となっていた。

しかし、先日にはドリームズ・カム・トゥルーや宇多田ヒカルが過去の全音源をストリーミングサービスに解禁。これらの動きは今後さらに拡大していくはずだ。

そうなると、ヒットの基準も変わってくる。

〔PHOTO〕iStock

すでにストリーミングが音楽市場の6割を占めるアメリカにおいては、レコード会社の収益もパッケージ販売ではなくストリーミングが軸となっている。

ヒットチャート上位の曲は各サービスの合計再生回数が数億から十数億回以上となる楽曲も珍しくなく、SpotifyやApple Musicなどのサービスは平均して1再生回数あたり0.5円程度を還元していると言われることを考えると、これらの曲は1曲あたり数億円単位の収益をもたらしている計算になる。

 

つまりCDが主流だった時代は「売れた枚数」だったヒットの基準が、ストリーミング主流の時代では「聴かれた回数」に変わっていくわけである。

特典商法など1枚のCDを多く売るための施策は意味を失い、曲がより多くの人に繰り返し聴かれること、つまり音楽それ自体の持つ力がヒットを成立させるために重要な要素となっていくはずだ。