日本で国民的ヒット曲を生み出すための「最も有効な仕掛け」とは

2017年は「恋」の年だった
柴 那典 プロフィール

楽曲が「物語」「ダンス」と結びつくとき

それは楽曲が「物語」もしくは「ダンス」のいずれかの要素と結びつくこと。

CDが数十万、100万枚以上売れようとも多くの人の記憶には残らない楽曲がある一方で、これらと結びついた楽曲は長く愛され続けるロングヒットとなる。

それを象徴するのがピコ太郎「PPAP」とRADWIMPS「前前前世」という、やはり2016年に発表された二つのヒット曲だろう。

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この2曲は、2位→9位(「前前前世」)、6位→8位(「PPAP」)と、共に2016年、2017年の2年連続でビルボードジャパンの総合年間チャートTOP10にランクインしている。

よく知られている通り、映画『君の名は。』の主題歌となった「前前前世」は、映画のストーリーと深く結びついた楽曲だ。通常、映画の主題歌は本編が終わったエンドロールの場面に流れることが多い。しかしこの曲は劇中で重要な役割を果たし不可分の要素となっている。

一方、みなが真似しやすい「ダンス」と結びついたのが「PPAP」だ。この曲で海外にも話題が広がり2016年に一大現象を巻き起こしたピコ太郎。2017年も、彼はトランプ大統領が来日した際の晩餐会に招待されるなど話題を振りまき続けた。

そう考えると、星野源自身が主演したテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(以下『逃げ恥』)の主題歌であり、またエンディングで流れた「恋ダンス」を多くの人が真似した「恋」は、「物語」と「ダンス」という二つのヒット要素を併せ持つ最強のヒット曲だったということができるだろう。

先日、TBSは大晦日から元旦にかけて『逃げ恥』の全11話を一挙放送することを発表した。また1月3日には『君の名は。』がテレビ朝日系で地上波初放送される。

2018年も「恋」と「前前前世」のロングヒットはしばらく続くことになるだろう。

 

2017年発表曲で最もヒットしたのは?

では、対象を「2017年に発表された楽曲」に絞るならば、最もヒットしたのはどの曲だろうか?

ビルボード総合ソングチャートを見る限り、2位のエド・シーラン「シェイプ・オブ・ユー」、3位のDAOKO×米津玄師「打上花火」がその候補と言えるだろう。

DAOKO×米津玄師「打上花火」は、映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』主題歌の一曲。映画の興行収入は15億超と華々しい成績は残さなかったが、楽曲自体はロングヒットを記録した。

この曲は先日発表された「YouTube Rewind 国内トップトレンド音楽動画 2017」でも1位を獲得している。

【YouTube Rewind 国内トップトレンド音楽動画 2017】
1. DAOKO×米津玄師『打上花火』MUSIC VIDEO
2. 「やってみよう」 フルver. /WANIMA【公式】
3. 米津玄師 MV「ピースサイン」Kenshi Yonezu / Peace Sign
4. TWICE「TT -Japanese ver.-」Music Video
5. 欅坂46 『不協和音』
6. Ed Sheeran - Shape of You [Official Video]
7. 米津玄師 MV「orion」
8. 乃木坂46 『インフルエンサー』
9. TWICE "SIGNAL" M/V
10. TWICE(트와이스) "KNOCK KNOCK" M/V

「国内トップトレンド動画」とは、2017年中にYouTubeに掲載された日本の動画の中から、再生、共有、コメント、評価、派生動画の数など、様々な数値を元に選出されたランキング。

米津玄師は「打上花火」だけでなく「ピースサイン」(3位)、「orion」(7位)とTOP10に3曲をランクインさせている。菅田将暉とのデュエットが話題を呼んだ「灰色と青」も、10月の公開から2ヵ月ですでに再生回数は2500万回を突破。これらの曲を収録したアルバム『BOOTLEG』も過去最大のセールスを成し遂げている。彼にとっては飛躍の一年となったと言えるだろう。