保育園申し込み「20の盲点」〜これが親子の未来を大きく変える

待機児童にならないために
小林 美希 プロフィール

給食については、公立の保育園は統一メニュー、私立は独自メニューであることが多い。私立は「委託費」と呼ばれる、税金と保護者が支払う保育料によって運営されるが、給食費にどれだけ支出しているかは園の考え方次第。

給食費を切り詰めて利益に回しているような保育園では、他と比べおかずが一品少ない、工夫を凝らしたメニューでないこともある。

介護施設を併設していると、高齢者向けのメニューを子どもにも提供していることもあるため、(3)給食のおかずの数や食材数、メニューも要チェックだ。給食が園内で調理されるか、業務委託かでもアレルギー対応などに差が出る。

また、補助金の関係で、(4)3歳児以上に米飯やパンの主食が出ないことが一般的で、3歳以上になると、ご飯を持参または米代を保育園に支払うこともある。その米代が不当に高いケースもある。

(5)延長保育があっても、夜7時半や8時まで夕食がない保育園もあるため、夕食が出ないと子どもがお腹を空かせて待っていることになる。お迎えに行って帰宅したとたん、「お腹空いた」と大騒ぎになれば、弁当や冷凍食品で済ましてしまい、食の貧困状態に陥りかねない。

保育士に腕のあるベテランや中堅がいるかが分かるのが、(6)歯磨きをしているかどうか。新人ばかりの保育園や離職率が高く入れ替わりの激しい保育園では、子どもをしっかり見ることができず、ふざけあっているのを見過ごすなどして歯磨き中に事故が起こることが心配で歯磨きを行っていないことが少なくない。

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保護者が気になるところが、(7)英語やリトミックなどの「課業」があるかないか、だろう。しかし、課業があるからといって良い保育園とは限らない。課業が多すぎると、外部講師任せの時間が増えて保育士に保育を考える力がなくなっていく傾向もある。

一方で全く課業のない保育園に通っていると、保護者が焦るあまり、土日に習い事を詰め込んでしまい、親子の時間がなくなってしまう傾向もある。バランス良く、うまく遊びのなかに英語などが取り入れられていれば、子どもの可能性も広がるかもしれない。

 

考え方の違いと言われがちだが、(8)衣服などを忘れた時に貸し出しがあるかないかは、子どもの最善の利益が守られるかどうかという問題にも発展する。

保育園に通い始めれば、毎日の着替え、汚れた場合の衣服のストックを一定数、持参することになるが、うっかりミスはある。

その時に、「忘れ物は親の責任だ」といって、うっかりミスも許さず、子どもがズボンを忘れてパンツのまま過ごさせ、「それが嫌なら忘れるな」という上から目線の「親教育」をうたう保育園や自治体もあるので要注意だ。

こうした保育園では、子どもが惨めな思いをして、忘れ物に対する恐怖心を植え付けられ、「自己責任」論が押し付けられてしまう。

持ち物が多くなる夏のプールの時期、タオルひとつ忘れてもプールに入れてもらえないケースまで散見され、子どもを心理的虐待に追い込んでいることもある。

保育園は、子どもにとっての最善の利益を守らなければならない。果たして、保護者が忘れ物をしてしまったら子どもが着替えられない、遊ばせてもらえないのが、安心して預けたい保育園なのか。盲点であるが重要なポイントだ。