北朝鮮の対米戦費に関する、元経済ヤクザのある考察

なぜ彼らは大国相手に戦えるのか
猫組長

地下経済で連なる国々

アフガン北部のケシ畑を警備している人物をガイドとして雇って案内してもらったのだが、彼はCIAに現地雇用されている、とのことだった。国境を出入りする麻薬やテロリストの監視役として、諜報機関などが、現地人ガイドを雇用するのはよくある話であるが、ガイドは私にこう教えてくれた。

「タリバン政権の時は、警備をやっている人間はみんな持っている銃が(ロシア製の)AK-47だった。制服も、あの中東独特の衣装だった。ところが、アメリカが来たあとは、みんな(アメリカ製の)M-16になり、アメリカ軍の軍服の払い下げを着てケシ畑の警備をやっている」

麻薬生産のコントロールが、ロシアからアメリカに移ったということだ。そして、それこそが世界の「麻薬の生産量」の復活・急増につながっているのだ。

15年にはロシアの暗部を支える闇将軍とされる、ロシア連邦安全保障会議書記・ニコライ・パトルシェフ氏が、「アフガニスタンにおけるアヘンの生産量は『米国不朽の自由作戦』の13年間に40倍に成長した」と、アメリカがアフガンをアヘン生産地として利用している、とその政策を非難した。

国家が直接麻薬の製造に関与していることが露見すれば大スキャンダルとなるため、麻薬と武器の仲介は別の組織が行う。それが、ニューヨーク系のマフィアである。

映画『ゴッドファーザー』には「自分のシマで麻薬は売らない」というマフィアのセリフがあるが、その言葉通り、ニューヨーク系のマフィアは、アフガニスタン製の麻薬をバルカン半島を経由してロシアに流通させている。同じことをやっていたロシアが、15年にアメリカを非難した背景には、自国を麻薬で汚染され続けていることへの怒りがあったのだ。

【PHOTO】iStock

アフガニスタンは、ソ連とアメリカという二つの超大国を相手に長きにわたって戦い続けてきた。それを可能にしたのが、麻薬を原資にした「ドラッグマネー」だったことは言うまでもない。アメリカも莫大な利益と支配権をもたらせる「中央アジアパイプライン」を何とか実現しようと、アフガニスタンに長きにわたって介入を続けてきたのだ。

現在でも麻薬が北朝鮮の重要な外貨獲得手段であることは、アンダーグラウンドの世界では定説となっている。その資金がミサイル開発の重要な一翼を担っていることも間違いないだろう。

国連薬物犯罪事務所の調査が及ばないため、世界の麻薬生産の一大拠点として「World Drug Report」にさえ載せることができないドラッグホットポイント……それこそが北朝鮮という国家の姿なのだ。

繁華街で復活したプッシャーと、活発化する北朝鮮のミサイル開発――2つの国は地下経済の水脈で結びつき、そこから滴る「白い粉」が、これから日本を汚染する可能性は充分にあるのだ。

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