絶望と孤独から保活ママを救うための5ヵ条

「一緒に保活」が母を救う【後編】
猪熊 弘子 プロフィール

保育室を見せてくれない託児所は危険

IT企業で事業部長を務めるMさんは、2016年5月生まれの長女を2017年4月から渋谷区の公立保育所に入園させることができた。いわば保活の「成功者」だ。

しかし、それも最初からすんなり入園出来たわけではない。4月に認可保育所に入園するためには、その前の段階で子どもをどこかに預けているという事実がないとプラスアルファのポイントが付かない。管理職の責任もあることから、長女が生後半年の10月には本格的に復帰したいと考えていた。

いろいろ探した中で、新宿の繁華街の一室にある24時間の託児所を見つけた。「0歳児には2~3人にひとりの先生がつく」と言われ、園長も良さそうな人だったことから、契約金を払って9月からの席を押さえ、10月から復帰する予定と会社にも伝えた。

 

ところが実際に9月に一時保育に預けてみると、最初、聞いていたのと様子が違っていた。「良さそうだ」と思った園長は産休に入ったとのことでおらず、責任者がいない状態で保育が行われていた。最初に見学したときには見せてもらえなかった保育室に入ると、ワンフロアに0歳から5歳くらいまでの子どもがごちゃ混ぜで25人ほどいるのを、若い先生が4人で見ていた。先生たちはみんなイライラしている状態で、0歳児もそこら辺に転がされているように見えた。

預けた長女は、先生たちに抱っこをしてもらえず、ハイアンドローチェアに寝かされ、ベルトで身体を固定された状態で「いってらっしゃい」と言われたという。

「泣きました。本当は5~6時間預ける予定でしたが、あまりにも心配で2~3時間で戻ったんです。そうしたら寝かされたまま泣いていて……。これではとても10月から定期で預けられないと思って会社にかけあい、12月まで育休を伸ばしてもらいました。頑張って再び保活することにしたんです」

生まれて4カ月くらいの赤ちゃんは、まだお座りもできない子がほとんど。Photo by iStock

長らく保育事故の取材を重ねてきた筆者が断言できるのは、「保育室を見せてくれない」施設は絶対に避けた方がいいということだ。ただ、不安に思いつつも預けざるを得ないのもまた現実である。Mさんは必死で情報を集めた。その中でMさんの目にとまったのが、家で子どもをみる、いわゆる家庭的保育を行っている施設だった。IT企業で働くMさんが着目したのは「ブログ」だった。

「その園は無認可でしたが、ホームページの更新の頻度が高かったし、ブログから先生たちが保育を好きでやっているのが伝わって来たんです。一晩でブログを2年分くらい読んで、話しをしたいと思って連絡したら、たまたま0歳に1人分だけ空きがあって。見学をしたら、ベビーベッドには赤ちゃんの呼吸が止まった時に反応するセンサーも着いていて、安心できるな、と思ったんです」

保育料は月13万かかったが、安心には変えられないと割り切り、その施設に預けることを決めた。渋谷区の認可保育所の申請は11月末までだったが、12月に「修正申請」することができる。そこで認可外に預けた事実を修正して申告し、優先順位を上げることができた。そして、4月に区立保育園に入園することができた。