東大教授が「赤ちゃんが選んだ」と本当に言える絵本をつくってみた

大人の見方と真逆だった!?
開 一夫 プロフィール

赤ちゃん審査員が選ぶ絵本!?

赤ちゃん向けの絵本の制作プロセスに、発達認知科学や赤ちゃん学の研究を活かすことはできないか?

こうした目標を達成するために、私の研究室では、出版社(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の協力を得て、「あかちゃん学絵本プロジェクト」を始めた。

ここでは、手始めに行った選好注視法を用いて赤ちゃんに絵本のデザインを決めてもらう実験について紹介する。

前述したように、私には絵の才能がまったくないので、プロのデザイナーに依頼してこちらが指定した(意味の無い)音に対する絵を描いてもらい、その中から音にマッチした絵を赤ちゃんに選んでもらうことを実験の目標とした。

こうして完成したのが『うるしー』、『もいもい』、『モイモイとキーリー』の3冊の絵本である(http://www.d21.co.jp/feature/akachan-ehon)。 

 

うるしー』は、新米手品師うるしーが帽子から不思議なものを出していくという単純なストーリーの絵本である。

デザイナーの方々には、「うるしー」というキャラクターを想像して自由に絵を描いてもらった。集まったのは以下の4つである。

(1)

(2)

(3)

(4)

実験では、選好注視法を用いて、赤ちゃん(8ヵ月から14ヵ月児22名)に「うるしーだよー」という女性の声とともに4つの絵をコンピュータ画面に呈示し、赤ちゃんの視線をアイトラッカー(赤ちゃんが画面上のどの部分に注目しているのかを計測する装置)で計測した。

結果は、次のようになった。