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保育園「待機児童数」の悲しいカラクリが見えてきた

孤独な保活ママを救え!【前編】
猪熊 弘子 プロフィール

「ママの好きにね」ではダメ

10月から産休と育休を続けて取り、1歳になってひとまずの育休が終わるのは来年の10月になる。本来、認可保育所は「空き」さえあれば、4月でなくても一年中入所できる制度なのだが、待機児童が多い自治体では特に、新年度の4月以外に入所できる可能性は極めて少ないのが現状だ。

 

そのため4月入園に申請が集中することになる。10月生まれのAさんの次男は来年4月入園なら生後6ヵ月で0歳児クラスだが、育休を延長して2019年4月になると1歳6ヵ月で1歳児クラスになる。0歳から保育をしている保育園では、1歳児クラスは0歳からそのまま持ち上がるため、入園できる枠が少なく、育休明けの人たちが集中することもあり、いちばんの激戦年齢だ。

Aさんは再来年まで待たず、0歳児クラスの4月に生後6ヵ月で入園させようとしている。

「可愛くて仕方がないけれど、0歳児で預けないと保育園には入れない」とAさん

「長男のときには、施設の見学などもほとんどしなかった」が、今回は6カ所の認可保育所を見学した。申請書には第5希望まで書くので、通えそうな範囲を伸ばして多めに保育園をピックアップ。認可外と合わせると8ヵ所回った。

「周りを見ると、ああ、みんなライバルなんだな、って複雑な気持ちになってしまう。もし偶然一緒に入園できたら同じクラスになって友達になれるはずなのに……」

見学は平日の朝10~11時、という指定が多い。夫は会社があるのでなかなか行けず、Aさんが産休中大きなお腹で1人で行っていた。ただ、参加者の半分くらいは夫婦2人で見学に来ていたという。

「平日見学に行けなくても、一緒に保育園について考えてくれるだけでもいい。『どの園がいいと思う?』と訪ねても『ママの好きなようにやって良いよ』っていう答えでは困ってしまいます」と、Aさんは保活中の母親の孤独についても明かす。

筆者もかつて認可保育園に長女を預けようとした時、入園できず苦労した思い出がある。あれから20年以上も経っているが、今の「保活」は改善したどころか、さらにより厳しくなっている。ゆえに母親の絶望感、孤独感はハンパないレベルにある。この厳しい現状の中、「父親」や周囲には何ができるのかを、具体的に考えていこうと思う。

(文・猪熊弘子)