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保育園「待機児童数」の悲しいカラクリが見えてきた

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猪熊 弘子 プロフィール

「3000人待ち」のところも

そして、一般的に「待機児童数」として発表されているのは、実は「認可保育所に入れずに待機している子どもの実数」ではない「認可外施設に入れた人、育児休暇を延長して親が見ることにした人、入所をあきらめた人」の人数は、実は「待機児童数」にはカウントされていないのだ。毎年2度、厚生労働省が全国の待機児童の数を発表するが、この数にだまされてはいけない。

朝日新聞社デジタルの「待機児童見える化プロジェクト」というサイトhttp://www.asahi.com/special/taikijido/では、各都市での公表された「待機児童数ランキング」と、実は認可に入れなかった「隠れ待機児童ランキング」も明確にしている。そのワースト20を表にしたのが下記の図だ。

2017年度待機児童数及び隠れ待機児童数 朝日新聞デジタル「待機児童見える化プロジェクト」より/編集部作成
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例えば、「待機児童数2人」と公表された神奈川県横浜市だが、実は3000人ほどの「本当は認可保育所に入りたかった人」がいることがわかる。入れなかったとしても、育児休業を延長することができる人、親戚や知人などに頼んで子どもを預ける場所を確保することができた人はなんとかなるが、「どうしても復職しなければならないのに預け先が見つからない人」は、あらゆる手を尽くして、あらゆる認可外保育施設も含めた預け先を探さなければならない。それが今の厳しい「保活」につながるのである。

 

育休は「保活休業」のようなもの

今年10月に次男を出産し、2018年4月の入園を目指して「保活」をしてきたAさん(文京区在住)には、小学3年生の長男がいて、今回が9年ぶり2度目の「保活」だ。

「なかなか2人目を妊娠しなくて、もうあきらめていた矢先に、2月に妊娠がわかりました。妊娠したとわかったとき最初に頭に浮かんだのは、保育園のことでしたね」とAさんは笑う。

Aさんの次男のRくん。8年目にしてようやく授かったが、保育園のことが最初に気になった。

「9年前に長男を出産したときにも保育園に入れるかどうか心配で、夫に泣きながら『入れなかったらどうしよう』と言っていたことを思い出します。これだけ待機児童が問題になっているのに、あまり変わっていない状況に驚きました。むしろ悪化していると言ってもいいくらい。一つだけ変わっていたなと感じたのは、8年前には自分の家庭の<点数>を見せてくれなかったのに、今回はその計算の方法とか基準とか、見せてくれたことくらいですね(笑)」

認可保育所に入所するためには、先にも書いたようにまず「支給認定」と呼ばれる保育の必要度の「認定」が必要だ。これは子供の年齢や申請者の勤務状況において認定されるものである。

さらに、自治体ごとに細かい「指数」が定められている。本来、すべての人が入れればそのような「指数」は必要ないのだが、より必要度の高い人から入所させるために、親が働いている時間や、家庭の状況、祖父母など子育てを手伝ってくれる人がそばにいるかどうかなど、細かい条件が設定され、加点や減点がある。

認可保育所の入所申請の前にすでに認可外に預けていると加点対象となることもあるため、認可保育所に入所するために、先に入れる認可外を探す「プレ保活」も当たり前になっている