日本のアニメが中国製に負ける日~中国で一番有名な日本人が警告

動画再生10億回の男の本音を聞こう
山下 智博 プロフィール

中国で成功するために

アニメは現在中国のネットプラットフォームに版権を販売したり制作委員会に中国企業を入れたりして中国との関係性を作っていますが、あくまでも日本向けに作られたものを中国でも流す、という図式です。

一番は中国の若者が主人公で、彼らの見知った場所が舞台で、彼らの悩みや心のモヤモヤをテーマにするようなオリジナル作品を日本クオリティで作れればその作品は大きなマイルストーンになる確率が高いです。

恐らくただ中国声優を使うだけ、などのささやかなコラボでは、結果として大きなインパクトを残せないかな、という懸念もあります。

ただ、例えば中国で人気の中国人声優が日本でしっかり評価されて日本の声優界に進出! なんてことが起こってくると、また違った状況が見えてくる可能性があります。

 

あとはどうやってそのプロジェクトを実現するか、という「プロデューサー不在」の問題です。現地のプラットフォームの上層部としっかりつながって、双方の意見を汲み取り、制作環境を整えるという大仕事が待っています。言うが易しとはこのことで、国際プロデューサーを務めるのは相当タフな仕事です。

プロデューサー不在を嘆いても仕方ないと思い、実はいま、その役割を担うべく一つ大きな挑戦をしています。それは、アニメではなく僕の得意なバラエティ番組で、現地のプラットフォームと共同制作するというプロジェクトです。

簡単に言うと、僕が中国人の出演者を中国側の要望を加味した上でキャスティングして全体の企画を策定、日本の人気番組を手がけたことのある制作チームが制作を担当、共同で全体のディレクションをしながら、全編中国語の日本の旅行バラエティ番組を作り、中国内のプラットフォームでしっかりプッシュする、という座組です。

この番組の撮影はすでに終了しており、2018年1月に放送開始予定です。このプロデュースがうまくいけば、以後、自分ができることも増えていくでしょうし、僕が中国向けアニメ作りのお手伝いもできるかもしれません。

とにかく中国ではチャレンジが大事で、僕も動画を作りながら何度もトライアンドエラーを繰り返してきました。その中で積み上げてきた中国での信頼を、日中双方にとってプラスに働く良いコンテンツに変えることができるのであれば、今後はそこに時間と労力を惜しみなく使っていきたいと思っています。

最後に、僕が2012年から2017年の中国でどういうことをしてきたか、自伝のような本を最近出したので紹介いたします。

『中国の上海人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』という名前の本です。政治色出てるように見えますが、中国ネット民の基本スタンス「政治と文化は分けて考えよう」という言葉を燃えやすく変えただけです。

今回のコラムにご興味を持たれた方は、ぜひ一読していただきたいです。僕にしかわからなかった本当の中国ネットカルチャーが垣間見える本です。