撮影:立木義浩
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「一杯目はビール」ではなく、私はいつもタリスカーソーダです

タリスカー・ゴールデンアワー第9回(前編)

提供:MHD

今回は石神井氷川神社の宮司、奥野雅司さんをゲストにお迎えした。

嬉しいことにMHDの社内にあるバーまで、わざわざ神官さまの装束でお越しくださった。一瞬、あたりが霊験あらたかになったような気がしたが、気のせいだろうか。

日本には、仏教やキリスト教が入ってくるずっと前から八百万の神さまが存在していた。そして日本古来の神さまは外国の神さまよりも寛容である。

だからだろうか、奥野宮司は大のシングルモルトファンだという。今回はタリスカーを飲みながら、めずらしいお話を披露してくれるはずである。

(構成:島地勝彦、撮影:立木義浩)

* * *

ボブ: 驚きました。奥野さん、それは宮司の正装じゃないですか。

奥野: シマジさんからどうしてもとお願いされたので、今日はこの格好で参りました。これは宮司の外出のときの装束なのですが、まあ、正装といえば正装です。

シマジ: 紋が変わっていますね。

奥野: 「丸に三つ引き」といいまして、丸に三本線が入っています。新撰組の近藤勇と同じ家紋です。

ボブ: ご親戚というわけではないんでしょう?

奥野: ええ、そういうわけではないと思います。

シマジ: タッチャン、今日は被写体としても面白いでしょう。

立木: シマジ、ユニークなのはいいけど、罰が当たらないだろうね。

ヒノ: 罰が当たるのはシマジさんだけでしょう。正装で神保町まできてくれなんて乱暴なことを頼んだのはシマジさんですから。

立木: ヒノ、お前はたまにいいこと言うね。

奥野: 大丈夫ですよ。今朝、ちゃんとお祓いをしてきましたから(笑)。

シマジ: 奥野さん、ありがとうございます。

ヒノ: 奥野さんは先祖代々ずっと、石神井にお住まいなんですか?

奥野: はい。わたしは石神井氷川神社の23代目の宮司です。じつは定かではないんですけど、うちの父の前の宮司が書いた石碑の碑文に「21代宮司」と書いてあったので、それから考えるとわたしで23代目ということになります。

ボブ: では、みなさん、いつものようにスランジバー!で乾杯しましょう。

奥野: おお、タリスカースパイシーハイボールですね。

ボブ: そうですよ。では全員でスランジバー! アルバ ゴブラ!

一同: スランジバー! アルバ ゴブラ!

シマジ: 神道というのは大変古いものですが、奥野さんの神社の創建はいつぐらいになるんですか?

奥野: これも定かではありませんが、いまから800年ぐらい前に出来たという話です。室町時代、豊島氏という豪族が石神井に城を造って、そのなかに祀られたのがはじまりと言われているんですが、実際は、城を造ったときに祀ったのか、それより前からあって、そこに城を造って、この祠を守り神にしよう、となったのか、その辺はよくわかりません。でも、800年前というのは、神社としてはまだまだ新しい部類です。

奈良の橿原神宮などはもともとは神武天皇のお宮ですから、2670年ぐらいでしょうか。そういう2000年越えの神社はたくさんありますし、3000年以上の神社もじつはけっこうあります。ですからうちの神社はかなり新しいほうですね。

シマジ: へえ、800年というのは神社としては新参者なんですか。今日、是非お訊きしようと思っていたことがあります。神社には、いわゆる寺の檀家みたいなものは存在するんでしょうか。

奥野: 神社の場合は、氏子といいます。氏子というのがどういうくくりなのかよく訊かれますけど、わたしどもの神社は石神井の鎮守社なので、石神井という地名がつくところに住んでいる人は全員うちの神社の氏子ということになります。

シマジ: お寺の檀家はお布施といって寄付を納めたりするけど、神社の氏子の場合はそういう仕組みはないんですか。

奥野: お寺さんは、「会員制」といいますか、檀家さんというはっきりとしたくくりがあって、ところによっては、「檀家以外の方は立ち入らないでください」という看板が出ているところもありますよね。でも神社はそういうことは申しません。

シマジ: 神社のほうがよりオープンなんですね。メンバーシップみたいなものはないんですか。

奥野: 崇敬会をメンバーシップと言えなくもないんですが、じゃあそのメンバーになっていない人はきてはいけないのかというと、そういうことはまったくありません。

シマジ: 寛容なんですね。最近では外国人も多いですしね。

奥野: ただ、境内に入るときは、やっぱり必ずお詣りをしてほしいですね。うちは石神井公園の通路みたいになっていますから、神社を通り抜けて、石神井公園を抜けて、駅のほうへ行ったり、通勤通学のときに通ったりする人も多いんですけど、お詣りをなにもしないで通り抜けられるのは、困りますね。ちょっと一礼だけでいいので、神さまに挨拶をしていってもらいたいんです。

その点で最近困っていたのは、「ポケモンGO」です(笑)。特別なキャラクターが出る時間帯があるようで、急に境内に数十人の人がフラフラ集まってきて、スマホをみながら立っているんですよ。その人たちは会話するわけでもなくお詣りするわけでもなく、ただただスマホだけを見つめているだけなんです。

ボブ: 一概にゲームが悪いとは思わないですけど、ゲームするときのマナーといいますか、時と場所に応じた節度だけは守っていただきたいですね。

奥野: そうですね。まあ、その問題は「ポケストップ」の削除要請が受け入れられて円満に解決できたのですが、神社というのは本来、お祈りをするところです。それから、自然に対して心を開き、感性の窓を解放して欲しい場所なんです。鳥の声や風の音を聞いたり、暑いとか寒いとか、そういったことを五感のすべてで体感して欲しいんですが、ゲームに興じている人たちにはそういう感覚があまりないようで……。

すみません。緊張して、ついしゃべりすぎて喉が渇きました。タリスカースパイシーハイボールをもう1杯いただけますか。

ボブ: 承知しました。何杯でもお作りします。

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