ADHDを「グルテンフリー」で克服した子供たちの話

まさか、と思うならば…
デイビッド・パールマター プロフィール

昔は炭水化物中心の食事ではなかった

過去260万年のうちのかなり長い間、私たちの祖先の食事は、野生の獲物、季節の植物や野菜、ときに果実などだった。今日では穀物と炭水化物が中心の食事をとる人がほとんどで、そういった食事の多くはグルテンを含む。

なぜ、これほどたくさんの穀物や炭水化物を平らげることが体にダメージを与えるかというと、穀物や炭水化物が肉や魚、野菜などといった食べ物とは違う方法で、血糖値を上昇させるからである。

穀物や炭水化物が脳を燃やし、炎症を起こす原因の一つは血糖の上昇だ。

血糖の上昇は脳に対して直接に悪い影響をもたらし、脳では炎症カスケード(「カスケード」とは「滝」の意)が始まる。

甘い飲み物だけでなく、穀物を主原料とする食べ物のせいで、私たちの食事には炭水化物による大量のカロリーが含まれている。

パスタ、クッキー、ケーキ、ベーグル、あるいは健康にいいらしい「全粒穀物」のパンのどれであっても、あなたがいつも口にしている炭水化物は、脳や健康の機能にとって、あまり役に立たない。

小麦だけではないあらゆる麦にはグルテンが含まれている Photo by iStock

糖質やグルテンたっぷりの炭水化物は、単に脳の神経組織の発生を妨げ、時間をかけて進行する認知症のリスクを高めるだけではない。炎症性の炭水化物がたっぷりで、脂肪が少ない食事は心の状態にも干渉してくる。認知症だけでなく、ADHD(注意欠如、多動性障害)、不安障害、トゥーレット症候群、精神的疾患、偏頭痛、さらには自閉症などの一般的な神経病のリスクにつながるのである。

そして、一つだけ言えることがある。食事からグルテンを取り除く生活を採用することは、脳の病気を軽減するための何より確かな手段であり、この簡潔な「処方箋」はどんな薬物治療にも勝るのだ。

 

神経障害、精神障害、行動障害の症状の多くを改善するには、グルテンフリーを続けて、DHAや有害なバクテリアであるプロバイオティクスのような栄養機能食品を食事に加えるだけでいい。いま、肥満やアルツハイマー病が蔓延しているのは、おそらく、多くの人々が炭水化物をこよなく愛し、一方で脂肪やコレステロールを避けようとしているせいなのだ──

食事療法だけで治療できるなら

こうした薬に頼らない簡単な処方箋の効果を説明するために、もうひとり、当時9歳の女の子、KMの例をあげてみよう。