「核兵器廃絶」という世界の潮流になぜ安倍政権は逆行するのか

人類滅亡まで、あと2分半…
鈴木 達治郎 プロフィール

「北東アジア非核兵器地帯」という解決策

核兵器禁止条約では核兵器の使用も威嚇も禁止されているが、これについては2016年、オバマ前大統領が導入を検討していた「核先制不使用」政策への支持を表明するなど、核兵器の役割を減少させるための施策を支援・促進するのも一手だ。日本政府が提唱している「段階的、現実的、実効性のある軍縮措置」の具体案である。

最後に、北東アジアの緊張緩和を図ることが必要であり、同地域における平和と安全保障の確保を目指して、「トラック2」外交(非政府機関による民間外交)の支援、「北東アジア非核兵器地帯」の設置など、「核抑止」に依存しない安全保障の枠組みと信頼醸成措置に、早急に取り組むことが重要だ。現に南半球はすべて非核兵器地帯でカバーされており、北東アジアでできないはずはない。

 

このたび上梓した拙著『核兵器と原発――日本が抱える「核」のジレンマ』(講談社現代新書)でも詳細に論じているが、何よりも大切なのは、南半球でも当初は実現が不可能なような状況から、交渉を始めているという点だ。

以上のような具体策を通じて、はじめて日本の核外交の信頼性を高め、真に核保有国と非核保有国の橋渡しができる。唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界を目指すリーダーシップをとることが今求められているのである。