


負けたのだ、日本が。少なくとも経済的には――26歳の作家・藤田祥平氏が歩いた中国の風景。「人間がここまで希望を持って生きていいものだとは、想像だにしなかった」という。
この国は、身体を動かせる若い労働力にあふれている。つまり、老齢をむかえて思うように身体が動かなくなった日本がいまの中国から新しく学べることは、おそらく何もない。
この圧倒的な深圳の街のなかで、「私たちはもう、これを高度成長期に体験済みなのだ」と私は思った。
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私は、三和地区という深圳のスラム街に分け入った。ネットカフェで3日間ゲームをやり、1日だけ肉体労働をして暮らす「廃人」たちに、取材をするためだ。
その地区に降り立ったとき、「人力資源市場」という看板が掲げられた、薄汚い建物の前に労働者たちがたむろしており、陽によく焼けた肌を晒した筋骨隆々の男たちが、私にあきらかな敵意の視線を向けていた。
そして、私は彼らに声をかけ、カメラを向けた。驚くべきことに、取材はうまくいった。
それどころか、おもに農村出身の彼らが国の将来に希望を抱いていること、まじめに働けばひとかどの生活ができるようになると考えていること、ゲームやアニメといった日本の文化的コンテンツに尊敬の念を抱いていることが知れた。
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