市民意識はこれほど変わった

一方、市民の反応は大きかった。当時ミクシィや掲示板において、今でいう"炎上"が起こった。

多くの人がこの動画を見てショックを受け、毛皮は買わないと宣言。たった2人で始めた毛皮反対キャンペーンには、現状を変えたいという人が集まってきた。

集まったメンバーとともに、企業やファッション雑誌に毛皮廃止のお願いをし続け、12年間続いている毛皮反対デモ行進(今年はファーフリーウォーク)を軸に、街頭活動やチラシ配りなどの草の根運動が日本全国に広まった。

そして、今ではなんの呼びかけもせずとも、著名人がリアルファーを着用していると市民の批判が集まるようにまでなっている。

私たちが目指したのは、リアルファーを身に付けているとなんとなく後ろめたいという気持ちになり、リアルファーを買うのを躊躇するという社会だ。

今、少しずつそうなってきている。

(PHOTO:Animal Equality)

ファーフリー宣言しない日本企業

ユニクロや無印良品などは早々に毛皮の利用をやめ、その後も多くはないが毛皮を使用しないという企業は増え続けている。

明言こそしてくれないが、多くのアパレルブランドが消費者の嗜好に追従し、リアルファーからエコファーに切り替えてきている。

リアルファー製品の輸入量は最も多くなった2006年と比較すると、2016年には81.2%*減少。昨年ファーフリー宣言をしたアルマーニ、そして冒頭紹介したグッチ宣言が国内のファーフリーの流れをさらに押し上げている。

しかし、日本のアパレルメーカーの多くがファーフリー宣言をしない。それは「儲かるならいつでも毛皮を売ります」という姿勢を示している。

ユニクロやグッチのように、社会的責任を重視し、動物を苦しめ、環境を破壊するファーという素材を永久的に取り扱わないことを消費者に約束すべきであろう。