新聞史上最高のエロス 林真理子の『愉楽にて』君は読んでいるか?

まさか日経新聞で…
週刊現代 プロフィール

「お仕置きどす……」

もう一人、主要人物として描かれているのが久坂の友人の田口(55歳)だ。これまた老舗の製糖会社の三男で、久坂とはスタンフォード大留学時代のクラスメートである。田口は妻をすい臓がんで亡くしている。

 

現在物語は第三章「京の遊び」まで進んでいる。久坂は、田口を励ます意味も込めて、一緒に京都へと向かう。芸者遊びで呑みすぎた田口が目を覚ますと、下半身に違和感があった。ズボンもトランクスも穿いていないことに気づく。

しかも、ペニスには祝儀の桐箱についてくる紅白の紐が飾られていた。紐を解くことができなくて田口が困っていると、部屋に芸妓が来て手伝ってくれるのだが、指が触れてペニスが固くなっていく……。

〈「立ったらあきまへんゆうのに……もう」

どうしてそんな、言うこときいてくれまへんのと、女はもう一度爪を立てる。

「お仕置きどす……」

亀頭に口づけた。そしてすぐに唇を離す。てりを持った亀頭の先に、真っ赤な紅の跡が残る……。

「おおーっ」

ついに耐えられなくなった田口の先から、白いものが発せられる。止めようと思っても絶対に止めることの出来ない噴射である〉(11月21日付)

「その芸妓が、着物についた男の精液を手拭いでぬぐう様子について『先ほどの舞いのように優雅であった』と書かれていました。余韻たっぷりで、まさに官能小説も顔負けの描写でした」(書評家の雨宮由希夫氏)

最後に経営評論家の長田貴仁氏は「日経の小説には、単なる官能的な読み物だけでなく、ビジネスのヒントも隠されている」と語る。

「以前、セコム(株)の創業者である飯田亮会長(現在は最高顧問)とお会いした時、『女にモテない奴は経営者に向いてない』とおっしゃっていました。特に現在は、男女共同参画社会が進み、女性をどう扱うかが、カギになっています。

久坂は経営に関してはからっきしですが、女性の扱いは超一流です。そういう男が最後には会社を救うかもしれない」

毎朝、男性に深い喜びを与えてくれる「愉楽」はまだまだ続く。

「週刊現代」2017年12月9日号より