「鈴木愛が大好きだ!」オジサンたちが夢中の女子ゴルファー

155cm、55kg。飾らない性格 
週刊現代 プロフィール

高校1年生のときには、鳥取が豪雪に見舞われ、4ヵ月間もまともにゴルフができなかった。室内でトレーニングをし、あとは練習場の雪かき。できたのはアプローチ練習ぐらい。

月に1回、父親の健司さんが運転して岡山県にラウンドに行くことが、鈴木の楽しみだった。大会に出場する際も移動はすべて健司さんが運転する車だった。

 

最近は糖質制限中です

「ですから、ゴルフ部といっても、ほぼ家族で動いていました。この環境で本当にプロになれるのかなと私も不安になりましたね。大会で会う周囲の選手は、みんなもっといい環境でゴルフに取り組んでいましたから……。

ただ、あの子はもともとそんなに球数は打ちませんでした。いつも120~140球を2時間ぐらいかけて打つんです。

私たちは、『もっと球数を打たなくちゃダメなんじゃないか?』って言うのですが、『私は一球一球集中して打ちたい』と自分のやり方を崩しませんでした。

ですから、『(お父さんが)プロになってから言って!』と、父親に反発した時期もありました。主人とケンカをして愛が練習場に置き去りにされ、ゴルフバッグを担いで2時間歩いて帰ってきたこともあります(笑)」(美江さん)

厳しい環境ながらも鈴木は高校2年生のときに中国地方の女子アマ大会で優勝。卒業すると、プロテストに一発合格を果たした。さらに'14年には、プロ2年目の20歳で日本女子プロ選手権を制す。

鈴木の武器はパッティングだ。微妙な距離のバーディパットを確実にねじ込んでくる。プロ入り後はいつしか「練習の虫」になった。大会中もラウンドを終えて、一番最後まで練習グリーンに残っているのは彼女である。

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鈴木が小学校5年からプロ2年目まで師事していたツアープロコーチの南秀樹氏が語る。

「パッティングが上手い理由は、ボールを打ち出していく自分のタッチがイメージできているので、ラインをきれいに作れるからだと思います。パターであれだけ魅せられる選手はいないんじゃないでしょうか。青木功さんと愛ぐらいでしょう。

彼女は子どもたちにはとても優しく接します。ジュニアの子たちには、試合中でもボールをあげたりする。そういう面もゴルフファンの方には知ってほしいですね。

感情をクラブにぶつけたりすることはようやく直ってきましたが、さすがに日本一になったらもっと自覚をもてると思います」

鈴木も素顔は普通の20代女性。クラブのグリップは番手によって色が違うなど、こだわりもある。

最近は糖質制限しているそうだが、やっぱり食べることが大好きだという。好物はメロンソーダとすき焼き、しゃぶしゃぶ。かつては試合前の朝食ビュッフェを食べ過ぎ、胃薬を飲んでプレーしたこともあった。

大会中、合間に母親が握ってくれたおにぎりを食べながら、勝負どころでパットを決めて、感情を爆発させる鈴木。オジサンファンはこれからも彼女のプレーにワクワクさせられることだろう。

「週刊現代」2017年12月9日号より