テレビの世界には、多くの視聴者があまり快く思っていないにもかかわらず、テレビ局側の論理でやめられない習慣というのが数多くあります。
今回はそのような習慣の中から、ドラマの番宣(番組宣伝)目的で俳優がバラエティ番組に出ることについて、少し話したいと思います。
ここでは、広義の意味で「番宣」に含まれる「テレビ局が製作に名を連ねている映画の宣伝」も含むこととします。
番組改編期や映画の封切りが近い時期になると、バラエティ番組にゲストと称して、普段は出ないような俳優が出ることがあります。
あきらかに番宣です。番宣もひとつのコンテンツである情報番組などでは、さほど気になりませんが、普段レギュラータレントだけでやっているようなバラエティの場合は、違和感が際立ちます。
うやうやしく迎えられつつ、あまりバラエティの雰囲気に馴染めないまま、最後は申し訳程度に番宣をして帰っていく俳優たち。
そして、そんな俳優に、芸人が「番宣かよ」と噛みつくところまでの一連の流れ。
全てひっくるめて、大半の視聴者は茶番だと思っています。
そもそもこの俳優の番宣、テレビ局にとってメリットはあるかもしれませんが、出演者の誰にとってもさほどのメリットがありません。
レギュラータレントたちは、番宣するドラマや映画がヒットしようがしまいが、自分たちの得にはなりません。にもかかわらず、大して面白くもないゲストを持ち上げ、宣伝に協力しなくてはなりません。
一方の俳優の方は、慣れないバラエティに出させられた挙句、一生懸命やらなかったり態度が悪いとみられると、芸人に陰口を叩かれたりネットでバッシングを受けたりもします。
たとえ懸命にやったとしても、やれ食事のマナーがどうとか、変な発言をしたとか、地雷はいくらでも埋まっていますし、むしろバラエティ慣れしてます感を出す方が叩かれたりもします。
こういった番宣に対し、これまでも多くの人が、毎回内輪の茶番見せられて不快とか、出演者の誰にとってもメリットがないならやめればとかいった意見を述べてきました。
しかし、今回私が述べたいことは、それだけではありません。