任侠山口組・織田代表が激白「私は高山清司若頭と会う用意がある」

溝口敦のスクープ・レポート
溝口 敦

高山若頭に伝えたいこと

織田代表には執筆中、しばしば会って話を聞いたが、刊行後も対面して話を聞く機会があった。

このとき織田代表は次のような話を明かした。

「弘道会を動かしているのは実際には司さんではなく、刑務所にいる高山清司さんと分かってます。あの人の意向で分裂した山口組の再統合も決まります。

それで2年後にあの人が出所して、会うという約束が取れたなら、向こうに単身乗り込んで、こちらの真意も本気度も見せた上で、会う運びにしたい。

会わないと言えばそれまでですが、ただ私は六代目山口組から絶縁とか破門とか処分を食らっていない。絶縁されたのは神戸山口組からだけです。高山さんとすれば、私との会見を断る理由がないのではないか。

再統合できるなら、若い人たちが今の分裂、対立に苦しむ必要がなくなる。未来に向かって生活できます。

ただ話をしたからといって、任侠山口組が立てている条件を下げることはない。カネの吸い上げは止めろ、出身母体による味方身びいき人事は止めろ、上意下達ではなく、諫言、進言を聞き入れる下意上達で行けなどというこちらの主張は飲んでもらわなければならない」

 

織田代表によれば、皆の前でこうしたことを明かしたのは、目標と日程を示すことで、少なくとも組員たちに、それまでは頑張ろうという気概を持ってもらいたいからだという。

またそのとき任侠山口組が小さい団体なら、高山若頭はそのような団体の相手はできないと、門前払いを食わすだろう。

彼に「会う」と言わせるためには、2年後までに任侠山口組をできるだけ大きくしておかなければならないと分かる。つまり組を今以上に大きくする意欲も組員に持ってもらいたいからだという。

ひとつの情報公開であり、上の者がこの船はどこの港を目指しているか、下の者に示すのは上の者の当然のつとめだと織田代表はしている。

会うのはひとつの手続きだとも言った。会うと言うことによって、下の者が上の者の本気度を判断してくれる、その材料になるというのだ。

このことの可否を判断するのは難しい。当然、六代目山口組や神戸山口組は否定すべき過去の遺物、そんなものを相手にするのは徒労、ひたすらわが道を行くのが手っ取り早いという意見も成立するからだ。

だが、織田代表の視野は開けている。単にヤクザ界の革命児といっては捕らえきれない現実的なリアリストでもあるのだ。

分裂の根底にある五代目宅見若頭暗殺から20年にわたる「恨みつらみ」を紐解く
溝口敦(みぞぐち・あつし)
42年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、出版社勤務などを経て、フリーに。『暴力団』『食肉の帝王』『血と抗争 山口組三代目』など著書多数

「週刊現代」2017年12月2日号より