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2017年視聴率「最終戦争」絶対王者・日テレに死角はあるのか

2位はテレ朝、TBSの大混戦

テレビマンの評価を決める物差しは、結局のところ、視聴率しかない。その数字を上げるために、年末はさらなる努力を強いられる。どんな手段もいとわない。ライバル局に勝てばすべて報われる――。

圧倒的に勝つまでやる

11月を過ぎると、テレビマンは浮き足だつ。

「4年連続の年間平均視聴率『三冠王』に向けて、ラストスパートですよ」

日本テレビの幹部は、年間平均視聴率の最新データ('17年1月2日~11月12日)を示しながら、不敵な笑みを浮かべた。

●G帯(ゴールデンタイム・19時-22時)
1位 日テレ 12.3%
2位 TBS 9.9%
3位 テレ朝 9.7%
4位 フジ 7.9%
5位 テレ東 6.6%

●P帯(プライムタイム・19時-23時)
1位 日テレ 12.0%
2位 テレ朝 10.0%
3位 TBS 9.7%
4位 フジ 7.7%
5位 テレ東 6.2%

●全日(6時-24時)
1位 日テレ 8.2%
2位 テレ朝 7.3%
3位 TBS 6.3%
4位 フジ 5.7%
5位 テレ東 2.8%

プライム帯で比べても、日テレとテレ朝では2%もの差がある。残り1ヵ月半ほどで、これを逆転するためには1週間で計約13%もテレ朝が日テレを上回る必要があり、もう現実的ではない。他の時間帯もほぼ同じ状況である。

「最後まで手を抜くことはありませんよ。氏家齊一郎元会長が健在だったころは、『他局が、もう日テレに追いつくのは無理だと諦めるくらいの強さを見せつけなければいけない』と言われていました。年末まで凝った企画が詰まったバラエティが続きます」(前出・日テレ幹部)

 

日テレはバラエティ番組が強い。『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界まる見え!テレビ特捜部』『世界一受けたい授業』など、家族で楽しめる定番として、視聴習慣ができている番組がいくつもある。

なかでもイモトアヤコの海外ロケでおなじみの『世界の果てまでイッテQ!』は毎回20%前後の視聴率を記録する。

元TBSメディア総合研究所社長で、現在はフリーランスのメディア・コンサルタントである氏家夏彦氏はこう解説する。

「日本テレビはゴールデン帯の大半を占めるバラエティに安定的な強さがあります。近年、好調を維持できている要因は、不調でも打ち切りはせず、すぐにコーナーの刷新などテコ入れをやること。

これにより、番組についている固定ファンを残したまま、ブラッシュアップをすることで、視聴者を積み上げていくことができるんです」

12月下旬からは、最終勝負の特番ウィークが始まる。日テレは、そこで強力なバラエティ番組の拡大版を放送するだけで、十分逃げ切れるのだ。

大晦日の夜にはダウンタウンの『笑ってはいけない』シリーズがダメ押しする。

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NHK紅白歌合戦の独壇場だったこの時間帯に、日テレは'06年から同シリーズで勝負に挑んだ。その結果、視聴者の「紅白離れ」を引き起こし、7年連続で同時間帯の民放トップの視聴率を獲得した。

「今年は警察署がテーマです。元SMAPのメンバー3人に出演をオファーして断られたようですが、それでも17%前後は取れるとふんでいる。

昨年の放送では、ふだんバラエティに出演しない人気俳優の斎藤工が身体を張って芸人のギャグを再現。ネット上で好意的に騒がれて、社会現象になった。

これにより、今年からはさらに大物俳優をキャスティングしやすくなりました。他局が放送する格闘技大会は、相手にならないでしょう」(日テレ制作スタッフ)